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マーラー:交響曲第2番 小澤征爾

 クラシックに参加した最初の曲が、このマーラー交響曲第2番であった。1991年9月、十束尚宏指揮、群馬交響楽団演奏で、第5楽章の合唱に加わった。十束尚宏氏は、小澤征爾に師事した方であった。
 そのため、この曲を聴くときは一種独特の感慨がある。第1楽章の緊迫感、第2楽章の夢見がちな回想、第3楽章のニヒリスティックな喧噪と諧謔、第4楽章の崇高な光への希求、第5楽章前半の咆吼と浄化。それらすべてが、第5楽章後半の合唱部分に向かって収斂していく。
 合唱の練習時は、何度も微妙な音階をパートごとに練習し、その曖昧模糊とした雰囲気に不思議な気分を覚えた。しかし、パートが合わさり、オーケストラの中で歌われたとき、音楽への一体感があり高揚感につつまれたことを思い出す。オーケストラの中で音楽を聴き、歌うのは希有の経験であった。
 小澤征爾、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏は、精妙なアンサンブルの中に、客観的にこの曲を捉えている感が強い。それだけに、遠い日を思い出させる音楽であった。

マーラー:交響曲第2番「復活」
小澤征爾
B001FOSKKW

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