裏切りのサーカス
東西冷戦下のヨーロッパを舞台としたジョン・ル・カレのスパイ小説を原作とする映画「裏切りのサーカス」。イギリス諜報部を追われた老スパイ、スマイリーは、ソ連の二重スパイを探し出す任務に就く。
人間関係が錯綜し、見ている者を迷宮のような事実関係の世界に落とし込む。古きヨーロッパの佇まいを背景に、重厚でゆったりと物語は進む。終始曇天の中、焦燥を感じる雰囲気を醸しているが、それがこの映画ならではの魅力でもある。
ゲイリー・オールドマンの知的な老スパイが静かでありながら圧巻の存在感を示す。深みのあるスパイ映画の傑作。
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