政談 (まんが学術文庫)
近未来の日本、ロックバンドのヴォーカリスト、マコトは、バイトをしながらプロのミュージッシャンを夢見て練習に励んでいた。そんなある日、政府は、すべての政策を人工知能に委ねる決定をした。コンピュータ「SORAI」は、「国民の住居は会社・業種ごとにまとめ国が定める」「他県への引っ越しを禁ずる」など、斬新な政策を次々に実行していく。その結果、フリーターであるマコトから彼女やバンド仲間が離れていくことになる。マコトがとった行動は…。
江戸時代の学者、荻生徂徠による意見書「政談」を基にしたコミック。教養漫画というと、文字がやたらと多く絵はおまけ的なものが多かったが、この作品はストーリーで名著の内容を体現しており、自然に読める点が素晴らしい。古典の思想とSF的な設定が見事なまでにかみ合っている。
名著へと誘う画期的なコミック。中高生にも一読を勧めたい。
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