破軍の星
建武の新政の時代、東北地方を治めた北畠顕家を主人公とした小説「破軍の星」。
鎌倉幕府が滅びた後、天皇の勅命を受けて若干16歳の若武者が陸奥守として東北の地を訪れる。見事な采配で、瞬く間に陸奥の地を平定していく。
後半、顕家軍が足利尊氏や斯波家長と対峙する場面は圧巻。足利尊氏が最も恐れた男、北畠顕家の疾風怒濤の人生を北方謙三が活写する孤高の歴史小説。
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建武の新政の時代、東北地方を治めた北畠顕家を主人公とした小説「破軍の星」。
鎌倉幕府が滅びた後、天皇の勅命を受けて若干16歳の若武者が陸奥守として東北の地を訪れる。見事な采配で、瞬く間に陸奥の地を平定していく。
後半、顕家軍が足利尊氏や斯波家長と対峙する場面は圧巻。足利尊氏が最も恐れた男、北畠顕家の疾風怒濤の人生を北方謙三が活写する孤高の歴史小説。
三谷幸喜が、アガサクリスティの「アクロイド殺し」を日本に舞台に移してドラマ化。
原作を読んだときは、メインのトリックの印象があまりに強いため、その他のことはほとんど忘れてしまっていたが、三谷作品では登場人物を個性豊かな面々に演じさせ、細かいエピソードまで楽しめる作りになっている。
登場人物をすべて集めて探偵が謎解きをするシーンはやはりワクワクする。ミステリーの醍醐味を与えてくれる巧緻なドラマ。
黒井戸殺し DVD
三谷幸喜 野村萬斎
佃製作所は、15億円の特許侵害訴訟を起こしているギアゴーストを傘下に収めることにより、取引先大手企業の帝国重工から信用調査を受けることになる。
信用調査を行う帝国重工社員を、ピコ太郎の古坂大魔王が熱演。恵俊彰、立川談春など、お笑い芸人や落語家などを多く起用している。「笑い」を生み出すことの苦労は、職人に繋がる真摯さと通底しているからかもしれないと感じた。
中国が他国とトラブル起こす原因や、アラブ地域の紛争が続くまでの過程を漫画で表した書。
ゆげ塾は、世界史専門の受験塾である。世界史のみでやっていけるというのも凄い。本書を読むと、教科書では読み取りにくい繋がりなど、構造的な理解を大切にしていることが伝わってくる。
各国を擬人化することで、立場や振る舞いが明確になっている。漫画というメディアの利点を生かした、近現代史を読み解く一助になる書。
池袋にある受験世界史専門の「ゆげ塾」講師が著した世界史の書。
歴史的事象が横断的に漫画で表現され、たいへん分かりやすい。短い時間で読めるが、内容は濃い。
受験世界史に俯瞰する視点を与えてくれる良書。
膨大な比喩と論理的な言辞をからめながら、ポルポト政権を生き延びた人々の人生が綴られていく。
数学や科学の知見も駆使し、人々の記憶に関わるSFの趣きが加わる。
多くの絶望を描いているが、再生がテーマのひとつであることに救いを感じる。同時に、智に頼った文章の限界も感じられる。
上巻に登場する幾多の人物が独特のレトリックを駆使して交錯する部分が特徴的。かつてない読書体験を与えてくれる作品。
ゲームの王国 下
小川 哲 mieze
小川哲の小説「ゲームの王国」上巻では、ポル・ポト政権下の文字通り死と隣り合わせの過酷な社会を生きる人々が描かれる。幾多の人物が綾なす鮮烈なストーリー展開にはこの上なく引き込まれる。
峻烈な才気がほとばしり、作品世界に没入させてくれる小説。
ゲームの王国 上
小川 哲
本田路津子が歌うベスト・アルバム。和らぎのある優しい歌声には、いつまでも身を委ねたいと感じさせてくれる。
最近、ガチャガチャした音楽が多いので、このCDを聴くと心底ほっとした気分になる。
清冽な小川のほとりで微風になでられながら静かで満ち足りた時に浸っているかのようなアルバム。
佃製作所は、トランスミッション開発に関わることになるが、特許侵害の壁が立ちふさがる。
クロスライセンス契約、リバースエンジニアリングなど経済や技術の動向に触れつつ、多彩な人間関係を描いていく多層的な構造をもち、その濃密さからは知的な刺激が得られる。
困難に立ち向かう佃製作所。その大本には物作りの矜持と信念があり、それが明日への勇気を与えてくれる。
「地獄少女」第3話は、「汚れたマウンド」。野球部の先輩から受けたシゴキが元で友人をなくす男子生徒。自らにふりかかった疑念のために、「地獄通信」にアクセスするが…。
地獄少女の家にあるマッキントッシュがすごく気になる。
理不尽な話であるが、地獄側のからりとしたキャラクターが救いとなっている。
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