アガサ・クリスティー完全攻略
アガサ・クリスティーが生んだ探偵エルキュール・ポアロ、ミス・マープルのみならず、トミーとタペンス、ノンシリーズなどクリスティー全ての作品を評した書。短編、戯曲にまで及ぶ。各作品には星の数でオススメ度を示している。
中学生の頃からクリスティー作品を愛読していた身にとっては、実に楽しい本であった。いろいろ読んできたつもりであったが、これほどたくさん未読の作品があったかと驚かされた。
ネタバレには注意して記してあるが、これから読む楽しみのために、未読作品にはなるべく目を通さないようにした。それでも、既読の作品へのコメントはたいへん興味深かった。
もっとも、個人評であるので、当然自分が読んだ感想と異なる部分もある。例えば「謎のビック・フォア」は、テンポ良いストーリーに惹かれた個人的には最良の読書体験のひとつなのであるが、本書の評価はとても低い。そのように、「これ違うかなあ」という読み方もまた楽しめるのである。
それにしても、クリスティーの膨大な作品を網羅した本書を読むと、いかにアガサ・クリスティーが偉大であったをあらためて感じさせてくれる。未読作品の道しるべとしてたいへんありがたい。
クリスティー作品の素晴らしさを伝える魅力に満ちた書。
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