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十二人の手紙

 井上ひさしの短編小説集「十二人の手紙」。ほとんどの文が手紙の体裁をとり、すっと入ってくる。
 各短編が、それぞれ人生を切り取った滋味溢れる内容をもっている。上質なミステリの趣きもあり、それぞれが味わい深い。
 井上ひさしが文学の至芸をみせる傑作オムニバス。

十二人の手紙 (中公文庫)

ニムロッド

 上田岳弘の小説「ニムロッド」。サーバー管理に携わり、仮想通貨の発掘を始めた「僕」のもとに、元同僚の荷室からダメな飛行機のコレクションや小説が送られてくる。
 ネット社会における人間の存在を、ドライな文体で描いた芥川賞受賞作。

【第160回 芥川賞受賞作】ニムロッド

銀の匙 Silver Spoon 秋の巻

「肉になるのに、みんな素直だな。」
「駒場さんとこは、仔牛の頃から一頭一頭丁寧に面倒みてるから、人間を信用しているんだよ。」

 離農した酪農家が、多くの牛を他に引き渡すときに主人公が見送るときの会話。
 アニメ「銀の匙」は、農業の現実を描き、単なる青春グラフィティに終わらない深いテーマを提示している。制作スタッフも、その思いを大事にして作っていることが伝わってくる。
 農業と食に携わる人々の思いと現実を、軽妙さを失わずにかつ真剣に描いたアニメーション。日本が誇るアニメの本質がこの作品に結実している。

銀の匙 Silver Spoon 秋の巻 Special BOX(完全生産限定版) [DVD]

銀の匙

「夢をもつということは同時に、現実との闘いを覚悟するということだと思うよ。」

 「銀の匙」は、荒川弘の漫画を原作とするアニメ。農業高校を舞台とした青春グラフィティ。
 受験に失敗し、家族から逃れるように大蝦夷農業高等学校に進学した八軒。志をもつ多くの仲間に引け目を感じながらも、自ら体験を重ね成長を遂げていく。
 農業に携わる人々に寄り添い、思いと現実を描く深みのあるアニメ。

1 エゾノ-へ、ようこそ

夏雲ノイズ

 スキマスイッチの1stアルバム「夏雲ノイズ」。
 電子レンジが突然壊れてしまい、ヤマダ電機に買いに行く車中でたまたま聞いたのが「ドーシタトースター」だった。
 ユーモアと切なさが、センス溢れる音楽と爽やかな歌声で広がる。心のスイッチが入る1枚。

夏雲ノイズ

ドライヴが100倍楽しくなるアニソンmix

 有名なアニメ・ソング25曲を、ノンストップ・ビートでアレンジしたCD。勢いのあるアレンジで盛り上げる。

ドライヴが100倍楽しくなるアニソンmix
ATSUKO DJ KAZMA DJよっしー nayuta tears すずみ ななひら プリコ ボク ルネ 花たん 転少女 野宮あゆみ KEI MIYABI MI→NA NAGISA RIN SCAMP SHIHORI Satsy

低レ研

 「低レ研」-人間の尊厳に対する真摯な挑戦!

 書名とサブタイトルから、何が書いてあるのかまるで想像できないこの本は、1993年に雑誌アスキーに連載され、多くの人に影響を与えた(らしい)エッセイである。そうそう、タイトルは「低レベルソフトウェア研究所」の略である。で、だいたい本の内容はわかっただろうか?

 このエッセイが連載されていた当時は、まだウィンドウズもなく、それだけに、パソコンの発達にまだワクワクできる時代だった。個人が開設するBBS、パソコン通信が華やかなりし頃で、ソフトウェア以上にパソコンのハードウェアに関心を持つ人も多かった。そんな背景で書かれいるが、今読んでも実に楽しめる。

 個人的には、「追及!パソコンライター達の午後」が気に入っている。そば屋の評価をライターがする話だが、ほんとに腹を抱えて笑った。

 作者の丹羽信夫さんは、パソコンの本を数多く著しており、今でも膨大な量の情報発信をしている。

 1995年以前のパソコン事情を見てきた人には、手に入れば、是非読んでいただきたい本である。あの時代の熱気と楽しさがよみがえってくるだろう。

低レ研―人間の尊厳に対する真摯な挑戦!
丹羽 信夫

ルパン三世 カリオストロの城

 ルパン三世「カリオストロの城」は、宮崎駿の映画初監督作品。湖に屹立する城を舞台に、大冒険活劇が繰り広げられる。
 寸分の隙もない練り込まれた脚本、心に迫る美術、個性豊かなキャラクターと繊細な心理描写、一人一人の動きを丁寧に描き分ける群衆シーン、遊び心に満ちた演出、どれもが見事ですべてのシーンが印象に残る。
 何度見ても素晴らしい長編アニメーション映画の大傑作。

ルパン三世 カリオストロの城 [DVD]
宮崎駿 山田康雄

クライマックス TV&CMヒッツ

 「はじまりの歌」「日曜日よりの使者」「旅人よ~The Longest Journey」「ララ サンシャイン」「亜麻色の髪の乙女」「ズルい女」「白い雲のように」など、90年代から00年代のテレビ番組やCMから生まれたヒット曲を集めた2枚組のCD。
 前向きな歌詞が多いのも特徴。J-POPの魅力がつまったアルバム。

クライマックス TV&CMヒッツ

ベイマックス

 「ベイマックス」はディズニー映画だが、子ども向けとあなどることなかれ。オタッキーの心をくすぐる、かなりマニアックなCGアニメーションである。日本の特撮やアニメへのオマージュも至る所に散りばめられている。
 美術的には、都市の情景が素晴らしい。東京とサンフランシスコを混ぜ合わせたような描写には、相当力が入っている。
 何より、科学技術への明るい志向がいい。未来を切り開くのは科学だという、素直な割り切りが良い。
 とことん作り込まれた動きと、マニアックな設定、ちょっぴりハート・ウォーミングなディズニーの野心作。

ベイマックス (字幕版)

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