沈まぬ太陽 20
「はじめて会長とお会いした時、私は久しく、聞かなかった人間の声を聞き、泣きました」
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第最終話。良心に従い航空会社の再建を目指した国見であったが、就任を請われた総理の離反により、退任を余儀なくさせられる。恩地もまた、行天より異動を申し渡される。一方、東京地検特捜部により暗部に司直の手が伸びようとしていた。
山崎豊子畢生の大作である原作が見事に映像化されていた。個性豊かな実力派の俳優陣により、作品の奥行きが表現された。50分20話という長尺であるが、それゆえに登場人物の苦悩がよく表出され、心を寄せることができ、6日で見終えることができた。
スタッフが思いを込めた制作姿勢と俳優の渾身の演技が融和した、稀代の完成度をもつ重層的なドラマ。
コメント