水滸伝 十二 炳乎の章
北方謙三の「水滸伝」第十二巻、炳乎の章。梁山泊の資金源である塩の道を、宋側の青蓮寺は必死で探索する。ついに要人である盧俊義が捕縛される。燕青は盧俊義を救出するため、北京大名府に急ぐ。時を同じくして北から梁山泊に関勝将軍が迫っていた。
祝家荘戦、呼延灼軍との激闘を経て、登場人物も大幅に増えた。にもかかわらず、一人一人が命を吹き込まれ、それぞれの人生に読み手は感じ入る。英傑のひとりを失い、人々を描く筆はますます冴え渡る。まるで、筆者が登場人物に書かされているかのようである。それは、真に良い作品の特徴である。
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