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メッセージ

 突如飛来した宇宙船をめぐるSF映画「メッセージ」。エイミー・アダムス主演、2016年公開のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
 世界各地に宇宙船が現れ、上空に停止する。軍は様々な学者を集め、調査を依頼する。言語学者ルイーズは、地球外生命体の発する言語を必死に解明しようとするが…。
 幻想的な宇宙船と、それに対峙する人々の圧巻のリアリティによりぐいぐいと惹きつけられる。主人公が言語学者という設定のため、知的な雰囲気をもち、映画のクオリティを高めている。
 ハードな設定とヒューマンなストーリーが融合した、SF映画の傑作。

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未来のミライ

 細田守監督の長編アニメーション「未来のミライ」。4歳の男児くんちゃんとその家族、未来からやってきた彼の妹ミライとの物語。
 凝った作りの家や、都市の情景など、いつもながら背景の描写が素晴らしい。特に、駅の表現には力が入っている。
 子どもの心象をとおして、ファンタジックなアニメーションの可能性をさぐった柔らかな空気をまとった作品。

未来のミライ

バケモノの子

「あいつのは親も師匠もいない。あいつは自分一人で強くなった。強くなってしまったんだ。それがあいつの才能であり不幸だ。」
「意味は自分で見つけろってこと?」
「そう…。一理あると思ってな。」

 細田守監督長編アニメーション「バケモノの子」。身寄りをなくした少年蓮は、渋谷の裏通りを彷徨ううちにバケモノの世界「渋天街」に迷いこむ。そこで、乱暴な武術家、熊徹と出会い、成り行きでその弟子となる。
 テンポよく進むアニメーションと、美しい背景、明るさのある絵柄、そして、深みのあるキャラクター、含蓄のある台詞。どれもが愛おしく感じる。
 やはり日本のアニメーションは楽しい。
 

バケモノの子

おおかみこどもの雨と雪

 身寄りの無い女子学生花は、大学で男性と知り合い恋をする。相手がオオカミであると知りつつ二人の子をなす。男性を失った後、花は田舎の古民家で二人の子どもを育てるが…。
 花のけなげな姿に心うたれる。自然描写があまりに美しく、この作品を何度も見たいと思わせてくれる。
 細田守監督畢生の、魂のこもったアニメーション。

おおかみこどもの雨と雪

サマーウォーズ

 ネット上の仮想世界から引き起こされた混乱に、大家族が立ち向かう映画。細田守監督が、上田にある奥さんの親類の絆に感銘を受け、日本の原風景を描くことに力点が置かれている。そのため、バーチャルの緻密な描写と、家族の細やかな情感の描写がコントラストをなし、独特の感興がある。
 雲や風景など自然の描写に対する監督のこだわりが良い方に作用し、爽やかな作品に仕上がっている。

サマーウォーズ

時をかける少女

 筒井康隆の原作、細田守監督によるアニメーション「時をかける少女」。躍動感溢れる学園SF。山本二三美術監督が手がける背景が素晴しい。雲や標識の表現など、細田監督独特のこだわりが随所に見られる。
 夏を駆け抜ける、爽やかな青春アニメ。

時をかける少女
筒井康隆 細田守

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