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海賊とよばれた男(上)

 「ただちに建設にかかれ」

 太平洋戦争の敗戦直後、焼け野原のなった東京に辛うじて残った本社屋で、国岡商店の店主は、仕事が全くないにもかかわらず、一人の社員もクビにすることなく、あらゆる手段を尽くして活路を見出す。それは、日本の石油産業を発展させた男の、還暦になってからの第一歩であった。

 「海賊とよばれた男」は、出光興産の出光佐三をモデルにした百田尚樹の歴史経済小説。20世紀の産業を発展させると同時に、紛争の火種ともなった巨大エネルギー「石油」を扱う男のドラマである。
 油の小売りから身をおこし、国や世界を相手に堂々とわたりあう人々を描いた、入魂の作品。

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