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「赤ひげ」は、黒澤明監督のヒューマニズムあふれる映画。山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を原作とし、加山雄三演じる若き医員と三船敏郎演じる小石川養生所の責任者「赤ひげ」との関係を中心に、患者との様々なエピソードが連なる人間賛歌。
名場面に満ちた作品だが、撮影手法の見事さも相まって、女優たちの演技が印象に残る。狂女を演じる香川京子の美しさゆえに鬼気迫るシーン、根岸明美の入魂の語り。桑野みゆきの持つはかなげな雰囲気なくしては、山崎努演じる佐八とのエピソードは成り立たなかったであろう。二木てるみ演じる少女も、後半のテーマを支えている。
小石川養生所の門は、「博愛」を象徴するかのように、十字架を二つ連ねた形に見え、名優の背後で存在感を持つ。
俳優の熱演とスタッフのこだわりとが結実した、日本映画の名作中の名作。
「名曲というものは実に繊細にできていて、全体ばかりでなく、部分部分が驚くほどきめこまかく完成されている」
なかにし礼の小説「世界は俺が回してる」でのポイントとなる音楽を集めたCD。どの曲もたいへん味わいがあり、時代を超えて楽しめる。解説書に描かれた、宇野亜喜良の挿画が当時の雰囲気を醸す。
世界は俺が回してる
なかにし礼 ジョージ・ガーシュウィン セルゲイ・ラフマニノフ オスカー・ピーターソン ハリー・ベラフォンテ 沢たまき 越路吹雪 ペレス・プラード ザ・スパイダース 西田佐知子
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