ほしのこえ
新海誠監督初の劇場公開作品。心象スケッチ風のアニメーション。25分ほどの中編だが、これほどのクォリティのアニメーションが、ほとんど一人で描かれたことに感嘆する。日常の風景が美しい。特に、雲の表現には独特の雰囲気がある。
新海誠監督初の劇場公開作品。心象スケッチ風のアニメーション。25分ほどの中編だが、これほどのクォリティのアニメーションが、ほとんど一人で描かれたことに感嘆する。日常の風景が美しい。特に、雲の表現には独特の雰囲気がある。
「かもめ食堂」は、群ようこの小説を原作とする映画。フィンランドの首都ヘルシンキに日本女性が開業した食堂を舞台としている。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこが味のある役を演じる。
おおきな出来事がおきるわけでもなく、まったりと話が進む。そこがとても心地良い。じわっとその世界にひたってしまい、気がつくと終わっていた。
じんわりと日本映画の良さを感じさせてくれる作品。
「製作 大川博」から始まる、黒をバックに白く書かれた冒頭のスタッフ・ロールから引き込まれた。そこからすでに雰囲気があるのだ。小杉太一郎のモダンな音楽が、その期待をさらに煽る。
映像は富士を背景にした街道がまず写される。主人とお付きの2人、後ろからついてゆく男の子、母と娘の旅芸人、馬上の女とその下の暗い顔の父、胡散臭く懐手をして歩く男など、街道を行く人々をアップでなぞってゆく。温厚そうな主人について槍を持つ男を、片岡千恵蔵が演じている。その最初の場面から、絵に力が感じられ、最後まで目が離せなかった。撮影も見事で、ごく自然に東海道を旅している気分になる。川の渡し舟、大名行列、旅籠、祭りなど、その時代がたいへん生き生きと活写されている。
台詞に味わいがあり、人間模様が実に巧みに描かれている。のんびりとした道中から、様々なドラマを経てラストの迫力ある立ち回りまで、一気に見せてくれる。
昭和30年公開の映画であるが、その映像と物語の魅力は今も実に新鮮である。内田吐夢監督の真骨頂。
1937年に制作されたアメリカ映画。公開当時日本は日中戦争のさなかであった。この時代に、これほど優れた作品が制作されることに、アメリカのという国の底力を感じた。脚本が実によく練られていると思った。今見ても最初から最後までずっと楽しめる。
ストコフスキー本人が出演し、演奏を披露している。冒頭のチャイコフスキー交響曲第5番の演奏から釘付けになった。ディアナ・ダービンの歌声も素晴らしい。
タクシー運転手と少女との会話から、当時の奥行きのある豊かさが伺える。貧しい中にも、精神的な豊かさとは何かを皆が知っていた時代ではないか。
小玉ユキの漫画を原作とする映画「坂道のアポロン」。佐世保を舞台に、ジャズに惹かれる若者たちの友情と恋愛を描く。
ジャズのセッションが心地良い青春映画。
三代将軍家光の後継者、竹千代を襲う者と守る者の激闘を描いたアクション映画「将軍家光の乱心 激突」。降旗康男監督による1989年公開作品。
緒形拳、丹波哲郎、松方弘樹、松方弘樹、織田裕二など錚々たる俳優をそろえ、派手な闘争が繰り広げられる。千葉真一がアクション監督を務め、キレの良い立ち回りが演じられる。
最初から最後までノンストップで楽しませてくれる快心の時代劇。
「君よ憤怒の河を渉れ」は、高倉健主演、佐藤純弥監督の1976年の映画。
無実の罪を着せされた検事が、逃亡しながらも自らの潔白を証明するために活躍するアクション大作。中国では大ヒットしたようだ。
追う刑事に原田芳雄、ロマンスの相手に中野良子。個性的な俳優陣と、ギトギトした演出から、この時代の雰囲気を色濃く感じる。
「シークレット・ミッション」は、キム・スヒョン主演の韓国映画。韓国に潜入した北朝鮮の特殊工作部隊を主役とした映画。
前半、コメディタッチで妙に明るく描かれるが、後半では一転シリアスな展開になる。そのギャップの激しさが凄まじい。韓国映画の熱気がぶわりと感じられる。
「宇宙は広大で方向が定まらない。頼りは自分と船とクルーだけ。」
クリス・パイン主演のスタートレック、第3作。カークは船長としての悩みを持つようになる。
監督がジャスティン・リンに変わり、映画の方向性も万人受けをする内容に変化した。そのため、スター・トレックがたたえる知的な深みがなくなった感がありやや残念。異星を舞台にした西部劇のようになってしまった。ただ、敵との戦闘シーンなどの映像表現は凄い。
気軽に見られるSF映画。
「スター・トレック イントゥ・ダークネス」は、クリス・パインがカークを演じる、J.J.エイブラハム監督による映画。
畳みかけるアクションの連続で展開されるSF。未来都市の映像がよく出来ている。しっとりとした雰囲気や哲学的な趣きがあるオリジナルのスタートレックとは異なり、派手なSF大作に仕上がっている。
それにしても、エンタープライズ号のデザインは本当に素晴らしく、本作でも存在感を示している。改めて、1960年代に制作されたドラマ「宇宙大作戦」の偉大さを感じた。
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