ポリスアカデミー
警察学校に入校した個性豊かな面々が巻き起こす騒動を描く映画「ポリスアカデミー」。
1984年公開のシリーズ第1作は、登場するキャラクターが際立ち、たいへん楽しめる作品。ギャグの連続であるが、意外に節度を保っている感じがする。
警察学校に入校した個性豊かな面々が巻き起こす騒動を描く映画「ポリスアカデミー」。
1984年公開のシリーズ第1作は、登場するキャラクターが際立ち、たいへん楽しめる作品。ギャグの連続であるが、意外に節度を保っている感じがする。
「イミテーション・ゲーム」は、第2次世界大戦でドイツ軍が用いたエニグマ暗号の解読に挑む人々との関わりを中心に、数学者アラン・チューリングの生涯を描いた映画。
主役は、ベネディクト・カンバーバッチ。卓抜の演技でコミュニケーションに難のあるチューリングを表現する。
脚本も緻密に構成され、伝記映画としても見事な出来映え。
暗号解読という地味な作業をじっくりと、なおかつスリリングに映像化し、功績の大きさもしっかりと示されている点が素晴らしい。
2014年アカデミー脚色賞受賞作品。
宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」は、飛行機の設計に情熱を傾ける堀越二郎と、薄幸な少女との出会いを描いた作品。
飛行機の設計に関わる部分の緻密な描写が凄い。関東大震災の群衆シーンは、宮崎駿監督がこだわりを見せるモブシーンの集大成的な出来映え。
飛翔するものへのあこがれを前景とし、ナイーブな恋愛を織り込んだ作品。そよぐ風が実感され、心の深奥にそのざわめきが残る映画。
近未来の首都圏を舞台に、増加するロボット犯罪に対処するために警察に設けられた特車部隊の活動を描くアニメ、パトレーバー。劇場版の2作目に至って、ロボットアニメとしての要素はわずかになり、公務員や東京の街そのものに描写の力点がおかれている。
その表現の深みというのは、「エヴァンゲリオン」を凌ぐのではないか。日本を舞台にしたロボットアニメという点では同じだが、庵野監督と押井監督の描き方はまるで違っている。庵野監督が明るい色調をベースに、ネルフという組織の活動を基に描くエヴァンゲリオンは、その絵の色調とは裏腹に個のどろどろとした内面部分をロボットの形で表出しようとしている。そこで描かれているのはあくまで「個」なのである。それに対し、今回のパトレーバーでは、暗い色調をベースにしている。とにかく夜のシーンや地下のシーンが多い。しかし、描かれているのは、組織に拘束されながらも、信念で動く後藤であり、そのもとに集うかつての仲間である。そこには色調と逆の楽観的な姿を感じる。また、人々の集う首都そのものが、主役になっている。いわば、「組織」「街」といった、集団のエネルギーが描かれており、エヴァンゲリオンと対照をなしている。
この映画の街の描写にかけるエネルギーはすざまじい。ベイブリッジ周辺の風景、自衛隊の戒厳令下におかれた新宿の街並みはリアルを極める。また、首都を縫う水路からの景色、新橋地下鉄での廃坑、空からの俯瞰など、様々な視点で首都を描いている。
わけても圧巻なのは、自衛隊調査官の荒川が後藤隊長に東京湾の船上で戦争について語る時の、湾岸の情景だ。曇天のもとでの、煤けた工場群、うらぶれたトタンのシルエット、鳥のとまる海上の指標灯などの映像が延々と流れる。独特の造形と陰影に引き込まれる。
街の存在感の前には、登場人物が逆に背景になるような映画であった。
「機動警察パトレイバー 劇場版」は、押井守監督による1989年公開のアニメーション。労働を担うロボット、レイバーが至る所で利用される日本を舞台に、首都を襲う事態に立ち向かう警察の若き面々の活躍を描く。
押井監督のこだわりが随所に感じられる緻密な町の描写が素晴らしい。脚本も見事で、卓抜な発想と重厚なストーリーで見る者を最後まで惹き付ける。
川井憲次の音楽が緊迫感を盛り上げる。冒頭の自衛隊レイバーが暴走するシーンから緊迫感があり、最後のカタルシス溢れる音楽は名曲。
近未来を見事に描いたアニメーション映画の傑作。
ブルース・ブラザースは、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが主演のコメディ映画。1980年、ジョン・ランディス監督作品。
黒ずくめの服、黒いサングラスで通す2人組を中心に、ノリのよいギャグでテンポ良く進む痛快作。ハチャメチャなカー・チェイスなど破天荒なアクションも満載。
そして何より、一流の音楽に彩られていることが魅力の映画。 レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンなど一級のミュージシャンも参加し、良質の音楽を存分に楽しませてくれる。
オールド・ファッションの心地よさを満喫させてくれる映画。
立川談志の高座2席を中心にインタビュー映像等を交え、談志の落語哲学を浮き上がらせた映画。
「やかん」では、「イリュージョン」の趣きを含んだ変幻自在な落語が展開される。
「芝浜」は、自らは好きではないと言っている作品であるにもかかわらず、珠玉の名演で圧倒される。
「アパートの鍵貸します」は、ビリー・ワイルダー監督による1960年の作品。ジャック・レモンが自らの安アパートを密会用に貸す会社員を演じる。
小粋な脚本で楽しませてくれる、職人芸的な映画。
宮崎駿制作、高畑勲監督の映画「柳川堀割物語」。人と水との関わりを描いた、160分を超える長大なドキュメンタリー。
柳川周辺の堀と水路について、実に多角的に描いている。執拗ともいえる水辺の描写に、強い思い入れとメッセージを感じる。
行政が住民を信じて行動しヘドロで埋まる川を清流に戻すなど、感銘をうけるエピソードが多い。ただ、冗長さを廃して精錬すればもっと多くの人に見てもらえるのではと感じたのだが、それができないのが高畑さんの良いところなのかもしれない。家で子守がてら見たみたから冗長と感じたので、映画館でじっくり鑑賞すればまた印象もちがうのかもしれない。記録としては実に貴重な作品。
メル・ギブソン主演の映画「マーヴェリック」。1994年、リチャード・ドナー監督作品。ポーカー大会に出場して一攫千金を狙うギャンブラーたちの争いを描くコメディ・タッチの西部劇。
ジョディ・フォスター、ジェームズ・コバーンが共演し、素直に楽しめる映画になっている。
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