陰の季節
「クライマーズ・ハイ」「64」などの作者、横山秀夫のデビュー作。
刑事物のような操作畑の人間ではなく、警務課という警察のバックボーンを支える部署を主な舞台としている。主人公も人事に関わる地味な職種であるが、それだけに組織の生み出す人間模様が読み手の心をつかむドラマをうむ。
スリリングなストーリーはどれも秀逸で、余韻を残す。
陰の季節 (文春文庫)
横山 秀夫
「クライマーズ・ハイ」「64」などの作者、横山秀夫のデビュー作。
刑事物のような操作畑の人間ではなく、警務課という警察のバックボーンを支える部署を主な舞台としている。主人公も人事に関わる地味な職種であるが、それだけに組織の生み出す人間模様が読み手の心をつかむドラマをうむ。
スリリングなストーリーはどれも秀逸で、余韻を残す。
陰の季節 (文春文庫)
横山 秀夫
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第15回は、「塾を守れ!」。
野山獄に再び入牢した吉田松陰は、塾生たちに要人暗殺の計画を実行するよう迫る。
歴史のうねりを丁寧に描いてこなかったために、松下村塾が単なる危険思想の温床に見えてしまう。大河ドラマの脚本家にこそ、歴史的背景を反映した個をしっかりと表現する「至誠」が求められるのでは。
茂木健一郎の幸福になる「脳の使い方」は、ストレスから解放され、幸福に生きる方法を記述した本。
筆者自身の体験として、潔癖性、人見知り、注意欠陥多動性障害などの性格からトラブルを抱えてきたことが語られる。
脳科学を背景にしながら、具体的に幸福へのアプローチを示唆した書。
幸福になる「脳の使い方」 (PHP新書)
茂木 健一郎
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第14回は、「さらば青春」。
松下村塾が過激な行動に走ろうとするが、そのあたりのいきさつが、どうも今ひとつ説明できていないように思える。ホームドラマ主体で、歴史の流れを盛り込まずにきたツケが、一気に出てきた感がある。
「内外教育」に連載された小野田 正利の「普通の教師が“普通に"生きる学校―モンスター・ペアレント論を超えて」をまとめた書籍。
学校と保護者との意識のずれをどう調整するか、どのように向き合うかを、長年このテーマに取り組んできた著者が分かりやすく語る書。かなり教員のホンネに近い部分で書かれているため、参考になる箇所も多い。
不器用な親子とそれをとりまく人々の温かい眼差しを描く重松清の「とんび」。
主人公ヤスさんのキャラクターがすてきで、子ども生まれてはしゃぐ最初の章を読んだだけで涙が出てしまった。
心の深いところからとめどなく感動を呼び起こす小説。
とんび (角川文庫)
重松 清
三谷幸喜脚本による、アガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」原作のテレビドラマ。2夜構成で、第1夜は、原作をなぞる形で進み、第2夜は、原作でほとんど触れられていない犯行までの過程を克明に描く。
第1夜は、野村萬斎のエキセントリックな長広舌が見物。第2夜は、まさしく三谷幸喜の独擅場。日本を舞台にして、ミステリーの古典的名作の魅力を立体的に浮き上がらせた意欲作。
オリエント急行殺人事件 ブルーレイBOX [Blu-ray]
三谷幸喜 野村萬斎
NHKが4回にわたって名著を紹介する「100分 de 名著」、2014年6月には柳田国男の『遠野物語』が取り上げられた。
カッパ、ざしきわらしなど、子どもの頃に耳にして不思議さと怖さを味わった話を含め、古くから遠野に伝わる物語の数々。そこには、日本の原風景の中に込められた思いや教訓がちりばめられている。
日本人の死生観や自然観が凝縮された物語の魅力と深みに自然といざなう。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第12回は、「戻れないふたり」。
いつまでホームドラマ主体の大河を続けるつもりなのだろうか。歴史のうねりが一向に前面にでてこない。
渋谷の若者たちを主人公とした、垣根涼介の小説「ヒートアイランド」。ストリート・ギャングやヤクザ、強盗犯がからみ、スピーディーに展開するサスペンス。登場人物が魅力的で、物語に引き込まれる。
熱気のある筆で一気に読ませるエンターテイメント。
ヒートアイランド (文春文庫)
垣根 涼介
最近のコメント