重耳(下)
危難をのがれた晋の公子、重耳は、中国全土をさまよいながら多くの人物と出会う。
重耳の波瀾万丈の生涯を通し、名君とそれを支える人々の生き様を活写した歴史小説の名作。
重耳(下) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
危難をのがれた晋の公子、重耳は、中国全土をさまよいながら多くの人物と出会う。
重耳の波瀾万丈の生涯を通し、名君とそれを支える人々の生き様を活写した歴史小説の名作。
重耳(下) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
歴史小説「重耳」は、多くの人物が登場するが、それぞれ魅力的な光を放っている。晋は重耳の父の代になり、新たな内患外憂の危機に見舞われる。事態の変化の中で、重耳をめぐる人々の価値観が浮き上がり深みのある物語が展開される。
中国の春秋戦国時代初期、晋の国をめぐる人々を描いた宮城谷昌光の歴史小説「重耳」。幾多の国々がせめぎあう中、重耳の祖父、称は徐々に野望を実現していく。
多くの人々が織りなす重層的でなおかつ躍動感に溢れた物語。
宮城谷昌光が中国古代王朝、商(殷)を描く歴史小説。
名宰相、箕子の思想を軸として、商王朝末期の動乱を活写する。文献の彼方にかすむ古代王朝の息吹を、様々な人間群像のうちに鮮やかに浮かび上がらせる。
古代中国、夏王朝の傑王と、商の湯王との激突を軸に、時代を懸命に生きる人々を描く宮城谷昌光の小説「天空の城」。下巻では、湯王は伊尹を三顧の礼をもって迎え、伊尹は臣として縦横の活躍をする。
宮城谷昌光の小説の凄いところは、物語がいよいよ終わりに近づくに従い、主人公が著者に乗り移ったかのような清澄な境地に達していくところである。終章「桑林の雨」は、淡々とした筆運びでありながら、真に充足した読後感を与えてくれた。
「天空の舟」は、古代中国の王朝夏と、新興勢力商の攻防を描く宮城谷昌光の小説。主人公伊尹(いいん)は、夏と商の両王と関わりを持ち、数奇な転変を遂げ、王朝の興亡に影響を与える。
文字すらない時代の歴史を掘り起こし、鮮明に活写される物語には感嘆する。巧みな伏線を持ち、人々の情感を豊かに描写する、まさしく一級の歴史小説。
「悩み」を克服する方法を具体的に述べたロング・セラー。たいへん分かりやすく書かれているが、背景には豊富な経験と人脈があり、哲学や科学の知見に裏打ちされている。
その説得力のある文章にふれるだけでも価値があるだろう。悩みを抱く人だけでなく、より良く生きることを見据えたい人にもすすめられる名著。
北原白秋、坪内逍遥、与謝野晶子、萩原朔太郎、室生犀星など、文学者が自らの作品を朗読した音声を収録したCD。
文学作品は、朗読を聞くことにより味わいが増すことが多い。特に昔の作品は韻律に優れており、聞くことで新たな魅力を知ることができる。ことに、作者が自らの文章や詩を朗読すると、そこには独特の感興が生まれる。
著名な詩人・翻訳家の音声により、文学の世界にひたることができる貴重な音源。
「医学が変えた近代日本」という演題で、1988年に順天堂大学で行われた司馬遼太郎の講演。
江戸時代に西洋から伝えられた医学は、「自由」「平等」という思想の種を宿し、幕末日本に大きな影響を与えた。ポンペや彼に学んだ松本良順、順天堂において医療技術を高めた佐藤舜海の話を交えた具体的な話はたいへん興味深い。
また、医者は「患者の最後の友」であるべきという基本的な考えを歴史から指し示し、内容、気概ともに実に素晴しい講演。
「司馬遼太郎が語る」第七集は、「キリスト教文化と日本」。司馬遼太郎が1990年、同志社大学で新島襄の没後100年の節目としての講演を収録したCD。
「倜儻不羈」の精神から語りおこし、キリスト教の「絶対」から、阿弥陀如来の話にまで及ぶ。日本人とキリスト教との関わりを大局的な視座から捉えた含蓄のある講演。
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