茶の本
岡倉天心の「茶の本」は、明治時代、日本の美意識を英語で表現し、世界中で読み継がれている書。
茶の思想にこめられた東洋の精神文化を、簡明な文体で綴っている。東洋が西洋から蔑まれていた時代に、やや挑発的な表現も含みながら、日本独自の価値観を矜持をもって表している。
日本文化の根底に流れる思想を、茶を基軸としながら浮き彫りにする真の名著。
茶の本 (岩波文庫)
岡倉 覚三 村岡 博
岡倉天心の「茶の本」は、明治時代、日本の美意識を英語で表現し、世界中で読み継がれている書。
茶の思想にこめられた東洋の精神文化を、簡明な文体で綴っている。東洋が西洋から蔑まれていた時代に、やや挑発的な表現も含みながら、日本独自の価値観を矜持をもって表している。
日本文化の根底に流れる思想を、茶を基軸としながら浮き彫りにする真の名著。
茶の本 (岩波文庫)
岡倉 覚三 村岡 博
デンマークの映画「特捜部Q ~檻の中の女~」は、北欧を舞台としたサスペンス。
トーンの統一された映像で、事件を追う刑事の姿をじっくりと描く。骨太の脚本、魅力的な人物像で見る者を惹き付ける良作。
岡倉天心の名著「茶の本」を収録した3枚組のCD。朗読は、野々宮卯妙。
内容の素晴らしさは言うに及ばないが、村岡博の翻訳による風格ある日本語を朗読によって味わうことができた。
松本清張の推理小説「ゼロの焦点」を原作とする映画。野村芳太郎監督による1961年公開作品。戦後の世相を反映した重厚な推理劇。
久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子など、女優陣による品格のある演技が印象に残る。
舞台となる北陸の美しくも重々しい雰囲気がモノクロ映像で際立つ。海辺の断崖で犯人が独白する場面は推理ドラマのひとつの定番となった。
カプコンのサバイバルホラーゲーム「バイオハザードシリーズ」を原案とたフルCGの映画「バイオハザード ダムネーション」。東欧の小国の独立運動の調査に訪れた主人公と、生物兵器との闘いを描く。2012年公開、神谷誠監督作品。
CGの完成度の高さが驚異的。人物の表情や動きなども違和感なく見られる。街並みなど背景の描き込みもすごい。ストーリーもしっかりしており、見応えのある作品。
007シリーズ第6作目、「女王陛下の007」は、ジェームズ・ボンドをジョージ・レーゼンビーが演じた唯一の映画。ピーター・ハント監督、1969年公開作品。
ショーン・コネリーのアクの強さとは対照的に、二枚目の甘い雰囲気があるボンドである。それゆえ、今までの007シリーズファンからは敬遠されていた向きがあるが、あらためて見るとしっかりとした作品である。
アルプスの敵アジトの美しさは、シリーズ一ではないか。後半の雪上アクションは緊迫感があり素晴らしい。
スタイリッシュな映像美に溢れた良作。
宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」は、飛行機の設計に情熱を傾ける堀越二郎と、薄幸な少女との出会いを描いた作品。
飛行機の設計に関わる部分の緻密な描写が凄い。関東大震災の群衆シーンは、宮崎駿監督がこだわりを見せるモブシーンの集大成的な出来映え。
飛翔するものへのあこがれを前景とし、ナイーブな恋愛を織り込んだ作品。そよぐ風が実感され、心の深奥にそのざわめきが残る映画。
近未来の首都圏を舞台に、増加するロボット犯罪に対処するために警察に設けられた特車部隊の活動を描くアニメ、パトレーバー。劇場版の2作目に至って、ロボットアニメとしての要素はわずかになり、公務員や東京の街そのものに描写の力点がおかれている。
その表現の深みというのは、「エヴァンゲリオン」を凌ぐのではないか。日本を舞台にしたロボットアニメという点では同じだが、庵野監督と押井監督の描き方はまるで違っている。庵野監督が明るい色調をベースに、ネルフという組織の活動を基に描くエヴァンゲリオンは、その絵の色調とは裏腹に個のどろどろとした内面部分をロボットの形で表出しようとしている。そこで描かれているのはあくまで「個」なのである。それに対し、今回のパトレーバーでは、暗い色調をベースにしている。とにかく夜のシーンや地下のシーンが多い。しかし、描かれているのは、組織に拘束されながらも、信念で動く後藤であり、そのもとに集うかつての仲間である。そこには色調と逆の楽観的な姿を感じる。また、人々の集う首都そのものが、主役になっている。いわば、「組織」「街」といった、集団のエネルギーが描かれており、エヴァンゲリオンと対照をなしている。
この映画の街の描写にかけるエネルギーはすざまじい。ベイブリッジ周辺の風景、自衛隊の戒厳令下におかれた新宿の街並みはリアルを極める。また、首都を縫う水路からの景色、新橋地下鉄での廃坑、空からの俯瞰など、様々な視点で首都を描いている。
わけても圧巻なのは、自衛隊調査官の荒川が後藤隊長に東京湾の船上で戦争について語る時の、湾岸の情景だ。曇天のもとでの、煤けた工場群、うらぶれたトタンのシルエット、鳥のとまる海上の指標灯などの映像が延々と流れる。独特の造形と陰影に引き込まれる。
街の存在感の前には、登場人物が逆に背景になるような映画であった。
「機動警察パトレイバー 劇場版」は、押井守監督による1989年公開のアニメーション。労働を担うロボット、レイバーが至る所で利用される日本を舞台に、首都を襲う事態に立ち向かう警察の若き面々の活躍を描く。
押井監督のこだわりが随所に感じられる緻密な町の描写が素晴らしい。脚本も見事で、卓抜な発想と重厚なストーリーで見る者を最後まで惹き付ける。
川井憲次の音楽が緊迫感を盛り上げる。冒頭の自衛隊レイバーが暴走するシーンから緊迫感があり、最後のカタルシス溢れる音楽は名曲。
近未来を見事に描いたアニメーション映画の傑作。
モナコ公妃となったグレース・ケリーと公国の危機を描いた映画。2014年、オリヴィエ・ダアン監督作品。
ニコール・キッドマンが、映画への復帰とモナコ公妃の立場との間でゆれるグレース・ケリーを好演している。
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