歳月
明治維新政府で司法卿として敏腕をふるった江藤新平の生涯を描く、司馬遼太郎の「歳月」。明晰な頭脳を持ち、近代司法制度の基礎を作り、廃藩置県を断行するなど大きな功績を残しながらも、佐賀の乱に身を投じる波乱の人生を、様々な視点から活写している。
佐賀藩主、鍋島閑叟との関わりや、征韓論のくだりがたいへん興味深かった。
江藤ほどの才人をも掌におさめる大久保利通に凄みを感じた。
歳月
司馬 遼太郎
« 2005年8月 | メイン | 2005年10月 »
明治維新政府で司法卿として敏腕をふるった江藤新平の生涯を描く、司馬遼太郎の「歳月」。明晰な頭脳を持ち、近代司法制度の基礎を作り、廃藩置県を断行するなど大きな功績を残しながらも、佐賀の乱に身を投じる波乱の人生を、様々な視点から活写している。
佐賀藩主、鍋島閑叟との関わりや、征韓論のくだりがたいへん興味深かった。
江藤ほどの才人をも掌におさめる大久保利通に凄みを感じた。
歳月
司馬 遼太郎
富士山が噴火し、首都は大地震により崩壊する。国土の5分の1が水没し、琵琶湖を境に日本は分断される…。大災害の後、生き残った人々の姿を描く、かわぐちかいじ渾身の作品。
第1巻では日本を襲う未曾有の災害が繰り広げられ、第2巻以降では、台湾での日本人避難民をめぐるドラマが展開される。圧倒的なスケールの大きさは、この作者ならでは。
首都直下型地震は、現実に起きる可能性があり、絵空事と片づけられない。
太陽の黙示録 (1)
かわぐち かいじ
データ処理を理解してもらうための本を探したが、なかなかこれという本が見つからなかった。統計についての本は、数式が多く難しい割に具体例が少ないか、逆にコンピュータでExcelなど表計算ソフトに数値を入力してインスタントに結果を得る方法が説明してあるが、数学の裏付けにあまり触れていないかの、どちらかに偏っていることが多い。
書店の本棚にあった統計学の本を手当たり次第にめくっているうちに、一冊、いい本に巡り会えた。書名は、現代数学社の「初めて学ぶ統計学」。
数式を掲げた後に、それを用いた具体例が載っており、バランスのとれた本である。考え方やポイントがよくまとまっており、学習者への配慮がよくなされている。データ処理の基本を学ぶには、好適な一冊。
レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のブラームス交響曲第4番を聴く。1981年の録音。
第1楽章の寂寥感に満ちた音楽では、クラシックの名曲中の名曲であることをじっくりと感じさせてくれる。
このCDでは、特に第2楽章の美しさを教えられた。
第3楽章は、マーラー交響曲第9番のスケルツォ「最後の舞踏」のようなイメージがある。それにしても、この演奏では、いきなりトチ狂ったような派手さで、驚かされた。
第4楽章のスケールの大きさは、さすがバーンスタイン。相克の表現が余韻を残す。
この曲も、1枚のCDにふれただけでは語り尽くせぬ深みを持っている。
ブラームス:交響曲第4番
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 バーンスタイン
ミッシャ・マイスキーのチェロ、マルタ・アルゲリッチのピアノによる、ベートーベンのチェロ・ソナタのCDはお薦めの一品。マイスキーの叙情的なチェロとアルゲリッチの華麗なピアノが絶妙のハーモニーで音楽を紡いでいる。個人的には、チェロ・ソナタ第1番の伸びやかな演奏がたいへん気に入っている。
通して聴きたい方は全集版を。エッセンスをという方は、3番、5番の収録された版を。同時に収録されている「魔笛」でのパパゲーノの歌による変奏曲も、楽しんで演奏している感じが伝わってくる。
ベートーヴェン : チェロ・ソナタ全集
マイスキー(ミッシャ) アルゲリッチ(マルタ)
ベートーヴェン : チェロ・ソナタ第3番・第5番
マイスキー(ミッシャ) アルゲリッチ(マルタ)
4年生算数ドリルの終わり間際に、「かけわり算」という難関があった。 ある数字に2,3,4,5,6,7,8,9を順に掛け算をし、次にその結果を逆に2,3,4,5,6,7,8,9で割っていくという計算問題。例えば、
74×2×3×4×5×6×7×8×9 = 26853120
26853120÷2÷3÷4÷5÷6÷7÷8÷9 = 74
のように、元の数にもどれば計算は合っていることになる。息子に計算させたところ、掛け算は10分でできたが、割り算は30分もかかった。息子はドリルに取り組んでいる間は正座をしているので、40分間の計算を終えた後は、さすがに足がしびれたようで、しきりに足をはたいていた。それでも、充足感のある表情をしていた。
「あなたに似た人」は、映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作者、ロアルド・ダールの珠玉の短編集。まさしく大人の寓話。そのハイセンスと恐怖を是非味わってほしい。「南から来た男」など、ビターな名品がそろっている。
あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
ロアルド・ダール Roald Dahl
映画「チャーリーとチョコレート工場」を家族で見に行く。久しぶりに心から楽しめる映画だった。冒頭の、カメラが煙突から内部に入り、チョコレートが型に納められ、包装され配送のトラックに送られるまでのシークェンスからわくわくした。雪の中を赤いトラックが轍を描いて出て行く街の俯瞰も美しかった。
工場内の独特の造形と不思議なダンスと音楽、ジョニー・ディップの演技に魅了された。これぞまさしくお伽話、終始その世界に引き込まれた。
最近のコメント