ナニワ金融道6
青木雄二原作の金融コミックのドラマ化。第6作ともなると、脂がのりきっている。君塚良一の脚本は、ほんとうにうまいなあと感じる。新春ドラマスペシャルという形での再放送で、2回目にもかかわらず、ついつい目が離せずに最後まで見てしまった。
ネズミ講、恋愛商法などの手口を実に巧みにみせてくれる。中居正広演じる主人公が、マルチ商法の説明会場で室井滋に説得されるシーンは圧巻の出来映え。
池脇千鶴が、過去を背負った女性を演じ彩りを添えている。高岡早紀のパチンコ中毒になった主婦も存在感がある。
中居正広は、帝国金融の若き社員灰原になりきっており、今回もアイデンティティーを求めて軽やかに悩んでいる。小林薫は、実に楽しそうに演じている。ハデハデな金融屋の印象があまりに強烈すぎて、他のドラマで登場するときもこの桑田のイメージがだぶってしまう。緒形拳の深みのある役どころが、きっちりと押さえをキメている。
テンポよいストーリーと元気のよい個性派俳優の共演で、一気に見せてくれるのだが、終わったあとに、ほのかに重いものが残る。
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