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ミクロの決死圏

 脳内出血で倒れた科学者を救うため、探査艇ごと縮小された医療チームを血管に注入し、体内から患部に行き治療するという着想の映画。1966年の作品。

 これを小学生の時にテレビで見て、すごく興奮した覚えがある。無数の赤血球が浮かぶ血管内、猛スピードで流れる心臓付近の静脈、神秘の色をたたえた内耳の風景、異物に襲いかかる抗体。一番身近である、自分自身の内部がこんなに巧みな仕組みと美しさに満ちているのかと、不思議な思いにとらわれた。人体内部が、小宇宙であることをまざまざと感じさせてくれ、生命に対する興味を決定的に高めてくれた映画だった。

 この人体内部の美術デザインは、シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリが手がけている。どんなにコンピュータ・グラフィックスの表現技法が発達しても、この映画が与えてくれた人体内部のインパクトを凌ぐ映像にはいまだ出会っていない。

 何度も見ても、色あせるどころが、新しい魅力が発見される素晴らしい映画だ。
 アイデアやストーリーが卓越しているだけでなく、科学に大いなる夢を持たせてくれた点でも、自分にとっては大切な作品。

ミクロの決死圏
スティーブン・ボイド アイザック・アシモフ リチャード・フライシャー
B0006TPEQK

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