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ムラヴィンスキー チャイコフスキー交響曲第5番・第6番

 ムラヴィンスキー、レニングラードフィルのチャイコフスキーを、昨日に続いて聴く。交響曲第5番・第6番ともに、峻厳な中にも繊細な表現がなされ、あまりに素晴らしい。
 愁眉は、交響曲第6番の最終楽章だ。全くの別世界に連れて行かれた。漆黒の深淵で慟哭するかのような演奏。

チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番「悲愴」
ムラヴィンスキー(エフゲニ) レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
B00005Q7Q9

ムラヴィンスキー チャイコフスキー交響曲第4番

 ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団によるチャイコフスキー交響曲第4番を聴く。1960年の演奏。
 第1楽章の苛烈なまでの力強さとスケールの大きさに圧倒される。しかも、見事な構成美を保っている。
 第1楽章が激しいだけに、第2楽章が際だって美しい。惻々と胸に迫る豊かな抒情を醸している。
 第3楽章も見事な統制を感じる。
 そして、第4楽章の華々しく疾駆するフィナーレ。すべてを飲み込む怒濤のうねりのような音楽。
 圧倒的なエネルギーと強烈なロマンチシズムをあわせもった名演中の名演。

Tchaikovsky: Symphonies Nos. 4, 5, 6 "Pathetique"
Pyotr Il'yich Tchaikovsky Yevgeny Mravinsky Leningrad Philharmonic Orchestra
B000001G8B

妖怪人間ベム

 「はやく人間になりたい!」
 妖怪人間ベムは、1968年から1969年にかけてフジテレビ系で放映されたアニメーション。全26話。怪奇ものブームの中、西洋風の表現で迫った力作。
 妖怪顔負けの人々がニュースを賑わす現代にあっては、このアニメの主人公たちのほうが、よっぽど人間的に見える。

妖怪人間ベム vol.1
小林清志 森ひろこ 清水マリ
B00005S7AD

デビルマン

 市立図書館のビデオのコーナーに行ったら、5~6歳くらいの女の子が、
「♪あれは~だれだ、だれだ、だれだ」
と、懐かしい歌をうたっているではないか。さらに、
「あ、おとうさん、黄金バットがあるよ!」
 おお、黄金バットをこんな幼い子が知っているのか。
「黄金バットね。今度は妖怪人間ベムを借りようか。」
 このお父さん、日本のアニメ文化を継承するよい子に育てていますね~。

デビルマン(1)
永井豪 田中亮一 坂井すみ江
B0001BUDXW

白い恋人たち

 トリノ・オリンピックで、荒川静香選手が、フィギュアスケート女子で日本人初の金メダルに輝いた。華やかで美しい滑りには心底魅了された。
 「白い恋人たち」は、1968年フランスのグルノーブル・オリンピックのドキュメンタリーである。単なる記録映画ではなく、選手たちの姿が生き生きとした映像美に昇華されている。フレンシス・レイの音楽がこの上なくロマンチック。

白い恋人たち
クロード・ルルーシュ
B00005LME9

ディープ・インパクト

 巨大な隕石による人類滅亡の危機。この設定でいくつもの映画が作られている。その中でも、「ディープ・インパクト」は、ダイナミックでリアルな映像と人々の姿をしっとりと描くシナリオが見事に融和した味わいのある作品。
 ティア・レオーニ演じるニュース・キャスターが隕石接近の事実に触れていく運びがとてもうまいと思った。隕石の破壊に向かう宇宙船の船長ロバート・デュヴァルが、目を負傷した隊員に「白鯨」を読むなど、繊細な演出が心憎い。モーガン・フリーマンの演じる大統領の真摯な姿も印象的。人々の理性を全面に出している映画。

ディープ・インパクト (字幕版)

映画 渚にて

 核戦争により最後の日を迎える人々の営みを、叙情豊かに描く名作。

渚にて
グレゴリー・ペック エバ・ガードナー スタンリー・クレイマー
B000B84NHW

渚にて

 核戦争が勃発し、北半球の人類は死滅する。放射能は徐々に南下していく。オーストラリアの人々は、最期の日を目前として、どのように生きるのか…。
 ここには、画期的な解決策も英雄も登場しない。ただその運命を受容れる人々が淡々と描かれている。だがそれゆえに、ずっと心に残る作品である。

渚にて―人類最後の日
ネビル・シュート
4488616011

尾瀬国体

Oze_01  尾瀬国体の競技を秋篠宮が御覧になるので、そのための要員として参加する。朝6時半にゲレンデに集合し、打合せの後にコンバインドジャンプが行われる会場に移動する。

Oze_02  ジャンプ台の下に、ロイヤルボックスと呼ばれる木の小屋が設営してあった。競技御覧のための大きなガラス窓を念を入れて拭く。また、付近の雪面をならし、お迎えの準備をする。

Oze_03  10時半頃、パジェロを改造した雪上車が重厚なキャタピラを駆動させて登ってくる。そのそばに、人々が立ち入らないようにお願いする。ジャンプが終わった選手が戻る導線にあたるため、主には選手が直進しないよう制する役だが、まわりには選手以外に部員、観客、役員、報道陣、警察官など、大勢の人々でごったがえしており、制しきれるか少し不安になる。しかし、さすがに雪上車が見えると、一種緊張した雰囲気になり、皆自然と足を止めた。

Oze_04  お列雪上車が御到着と同時に、係が階段状の乗降台を車の出口にすばやくおき、すぐに直立不動の姿勢をとる。御髭をたくわえられた秋篠宮は、降りられると挨拶をなさりながらロイヤルボックスにお入りになられた。紀子さまは、ご懐妊のためお成りにはならなかった。秋篠宮に、知事や議長、村長、宮内庁職員などの御一行が続かれた。
 競技を御覧の間、ロイヤルボックスのまわりには警察官がほぼ等間隔に取り巻いていた。自分も警察官と同じような服だったので、自分より前に出てロイヤルボックスに近づく人はほとんどいなかった。

Oze_05  雪上車に戻られ、御発なさる際にも、人々に注意をする役を果たした。約40分間の競技御覧だった。
 後片付けをして、下に降りると、それほど体を使ったわけではないのに、疲労を感じた。昼食時にゲレンデで無料で振る舞われていた暖かいマイタケ汁が、ことのほか美味しかった。

喜界島昔話

 ずっと気になっている話があった。それは何かの本で読み、喜界島という所の昔話であるとだけ覚えていた。十数年前に出会ったのだが、それ以来、時折記憶の底から浮かび上がってくる不思議な話であった。

 インターネットで「喜界島」をキーワードに検索してみた。幸運にも、島に関する様々な書籍のリストを載せている奄美大島の書店のサイトを探し当てた。そのリストの中に、「喜界島昔話集」があった。すぐに電子メールで書店に注文した。

 届いた本は表紙が薄緑色の古本で、時を経た匂いがした。編者は柳田國男である。喜界島で採録した話が107あり、気になっていた話も、やはりその中にあった。概略次のような話である。題名は「頭の木」

 『ある男が蜜柑の種を飲んだら、その種が腹の中で芽を出して大きくなり、頭へ突き出てきた。それから枝が生えて実がなるようになったので、子供達が蜜柑をとりにおしかけてきて騒がしくてたまらない。
 「こんなものがあるから騒がしいのだ」
と、男は蜜柑の木を引き抜いてしまった。ところが抜いた跡に大穴が出来て、雨が降る度に水がたまり、大きな池になった。こんどは子供達が魚釣りにやってきて、釣り針を男の耳に引っかけるやら目にひっかけるやらで始末におえない。これは死んだ方が楽だと言って、男は自分の頭にある池の中に飛び込んで死んでしまった。』

奄美郷土誌専門店 あまみ庵

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