GRAPES
“GRAPES” 、一粒一粒がつややかに実った葡萄のように、作者が慈しみながら育てあげてきた思いが伝わるソフトである。インターネットに公開されているフリーソフトで、容量は本体とサンプルで1枚のフロッピィデスクに収まる大きさ。実際に操作し、サンプルを見ることで、サイズは小粒ながら意外な広がりを持ったソフトだと納得できるだろう。
例えば、「陽関数」の「作成」ボタンを押し,x^2+bx と入力するだけで、パラメータbを表す欄が自動的に作成される。このbの値はマウスでクリックして増減させることができ、それに伴ってx^2+bxのグラフも移動していく。式を入れるだけでパラメータをすぐに操作でき、グラフがすっと動く軽快さが心地よい。
描いたグラフの拡大・縮小・移動なども任意の範囲を指定して手軽にできる。陽関数以外にも陰関数や、極座標関数、図形など、様々な対象を描画できる。また、簡単なプログラミングができ、関数を用いたアニメーションを効果的に見せる表現力も豊かである。これだけの機能を持ったソフトを無償で提供している友田勝久氏に敬意を表したい。
昨日、パイオニアのプラズマ電子情報ボードを使って、GRAPESを利用した数学の模擬授業を行った。指で画面をなぞるだけで、座標の移動や拡大・縮小がいとも手軽にできることを生かし、2次関数と微分について動的に提示した。
GRAPES+電子情報ボードが、数学の授業を柔軟かつダイナミックに展開する優れた組合せであることを実感した。
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