ウルトラQ 宇宙からの贈りもの
火星探査ロケットが帰還した中に、二つの金色の玉があった。その玉が暖められるとき、火星怪獣ナメゴンが登場する。「大宇宙のルール」を知らしめるために送り出されたという、希有壮大な趣をもつ金城哲夫の脚本。突然あらわれる怪獣によってあぶり出される日常の諷刺もウルトラQの魅力である。
火星探査ロケットが帰還した中に、二つの金色の玉があった。その玉が暖められるとき、火星怪獣ナメゴンが登場する。「大宇宙のルール」を知らしめるために送り出されたという、希有壮大な趣をもつ金城哲夫の脚本。突然あらわれる怪獣によってあぶり出される日常の諷刺もウルトラQの魅力である。
ウルトラQの第2話、「五郎とゴロー」は、研究所の「青葉くるみ」を食べて巨大化した猿の物語。特撮については現在の技術から比べれば未熟に見えるかもしれないが、それは些末なことに思えるほど充実した30分であった。むしろ、当時の技術でこれほどのスケールの作品を週1回作り上げることに驚きを感じる。社会派ドラマの秀作とも言える。
ウルトラQのBGM集を聴き、無性に本編が見たくなり、ウルトラQのDVD第1巻を購入する。「ゴメスを倒せ!」「五郎とゴロー」「宇宙からの贈りもの」「マンモスフラワー」の4編が収められる。
DVD化され、映像も音声も極めてクリアになっていた。第1話の「ゴメスを倒せ!」は、凶悪な怪獣ゴメスと怪鳥リトラの闘争を描く。意外なことに怪獣同士の対決はウルトラQでは本作のみ。「キングギドラ対ゴジラ」のミニ版のような感じだが、お茶の間に非日常を持ち込んだ意味合いは大きいだろう。
「怪鳥りトラリア」「シトロネラ・アシッド」など、後に「バルタン星人」「スペシウム光線」を生み出す飯島敏宏(千束北男の筆名で参加)脚本によるネーミングの妙も雰囲気を盛り上げる。
陰影のあるモノクロ映像で、異世界に入り込む気分にさせてくれた。
DVD ウルトラQ VOL.1
特撮(映像)
ストーリー漫画の開拓者、手塚治虫の伝記を息子が読み終える。エジソンや宮沢賢治に比べ、「ブラックジャック」や「火の鳥」などで息子にもなじみがあるので、読みやすかったようだ。
毎日、息子の朗読を聴くのを日課にしているが、手塚治虫の伝記は親子ともに本当に楽しむことができた。ところどころに手塚まんがが挿入され、イメージが描きやすい。
著者は、手塚治虫の担当編集者であった中尾明。半世紀を嵐のように駆け抜けた手塚の生涯を、活き活きと記している。
手塚治虫は夢と希望を与える、皆に愛される作品を生み出し続けた。その子供時代は、昆虫、天文など様々なことに興味をもっていた。実際に手塚が中学時代に作った昆虫図鑑を見たことがあるが、その精密さに驚き、感動すら覚えた。
よき作品を残した人が、あふれる好奇心を持ち続け、どれほど豊かな生涯をおくったかを息子と共にたどれ清々しい思いだった。
ドイツで1954年に制作されたドキュメンタリー映画。ベルリン・フィルの歴史をたどったもの。ブルーノ・ワルターやオイゲン・ヨッフム、セルジュ・チェリビダッケなどの指揮する姿が見られ、思わず見入ってしまった。
フルトヴェングラーがシューベルトの「未完成交響曲」を練習する風景や、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を指揮する場面にはさすがに風格を感じさせられた。それにしても、なんと自然で温かみのある音楽なんだろう。現代の、鋭さが強調された演奏より親しみを感じる。
ブルーノ・ワルター指揮、ウィーン・フィルの交響曲第40番、第25番を聴く。暖かみと包容力がある。円熟とは、このような演奏のことを言うのだろう。
モーツァルト:交響曲第25番&第40番
ワルター(ブルーノ) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト
陰山英男が尾道市立土堂小学校長に就任してからの一年間を自ら綴った記録。子どもたちに真の学力をつけさせるために、様々な工夫をし、現場の先生方と実践を重ねていく。多忙な校務の合間に、良い授業をもとめて全国を飛び回る。苦悩をしながらも、ひたむきに子どもたちのために取り組む姿に胸をうたれた。
陰山英男の「校長日記」 土堂小学校校長一年目の全記録
陰山 英男 山崎 敬史
戦国時代の堺の商人たちが、財力をもって為政者たちと対峙した姿を描く城山三郎の小説。経済という切り口から信長・秀吉の時代をとらえ、気概にあふれる堺の姿が活き活きと描かれている。舞台はフィリピンにまで及び、その雄大な物語にしばし時を忘れて読みふける。経済が人の心で動いていることをまざまざと感じさせてくれる。
黄金の日日
城山 三郎
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