坂の上の雲
明治時代の日本人の気質を、日露戦争を中心に膨大な事例で描いた司馬遼太郎の「坂の上の雲」。この無謀ともいえる戦いを通じて、いかに明治が高揚した、精神的に豊かな時代であったかを感じとることができる。読み終えた後には、真に偉大なものを見てきたような、圧倒的な感動を抱いた。
司馬遼太郎は、正岡子規が好きであると書いているが、氏の作品の徹底した写実を通して描いていく手法に子規との共通点を感じる。
2年前に亡くなった野沢尚には、NHKから2006年に放送予定だったスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」の脚本執筆が依頼されていた。野沢氏が取材に時間がかかっているとして延期の申し入れがあり、NHK側もこれを了承し、2007年以降に放送が延期される旨の発表がなされていた。野沢氏は既に同作の全15回分の初稿を既に書き上げていたことも明らかにされている。
NHKには、是非「坂の上の雲」を魅力的な形で映像化してほしいと思う。
坂の上の雲〈1〉
司馬 遼太郎
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