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ドラマ のだめカンタービレ 9

 ドラマ「のだめカンタービレ」の第9話は、のだめがピアノコンクールに出場する回。コンクールに向けての練習場面や本番での鍵盤の描写により、ピアノ曲の魅力がじっくりと伝わってくる。
 千秋のトラウマが解消されたかと思ったら、今度は、のだめの幼少時の傷がほのめかされる。「ぎゃぴー」などといって叩かれたりするシーンが多い一見ふざけたドラマだが、実のところは過去を乗り越え成長する物語の王道をしっかりと歩んでいる。
 原作第9巻で、物語は一区切りつく。この巻も、少女漫画の王道を行く展開。

のだめカンタービレ (9)
二ノ宮 知子
4063404889

博士の愛した数式

 80分しか記憶がもたない博士と、世話をする家政婦、その息子の交流を描く小川洋子の小説「博士の愛した数式」。博士が示す数の持つ美しい性質を軸に、静かな筆致で三人のやりとりが綴られる。
 記憶を失う運命を背負いながらも、数論に向き合い、子どもに愛情を注ぐ博士の純粋さに、清廉な暖かみを感じる。
 推理小説などに、数学の問題や数式が現れることがあるが、とってつけたような形になることが多い。しかし、この小説では完全数やオイラーの公式などが必然であるかのように登場し、文学との整合性を欠くどころか、味わいのある文脈の中に取り込まれている。
 人々のやさしさと数式との幸せな出会いにふれ、読後も清々しさが残った。

博士の愛した数式
小川 洋子
4101215235

エリカ 奇跡のいのち

 柳田邦男氏の講演会で紹介された絵本「エリカ 奇跡のいのち」を見る。時をそこに永遠にとどめたような稠密な絵に、目を見張る。赤ん坊のとき、強制収容所ダッハウへ向かう列車の小窓から外へ放り投げられ、奇跡的に生き延びた女性の凛然とした言葉に胸を打たれる。

エリカ 奇跡のいのち
ルース・バンダー ジー ロベルト インノチェンティ
4062124858

ロココの主題による変奏曲

 ミッシャ・マイスキーのチェロ、オルフェウス室内管弦楽団による、チャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」は、マイスキーの豊かなチェロの響きと、クリアなオルフェウスの弦が和し、馥郁とした香りを放つ演奏。「アンダンテ・カンタービレ」の抒情も素晴らしい。

チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
マイスキー(ミッシャ) オルフェウス室内管弦楽団
B000CBNYX2

フルートとハープのための協奏曲

 モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」「クラリネット協奏曲」2つの名品が収められたCDを聴く。カール・ミュンヒンガー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による1962年の演奏。
 「フルートとハープのための協奏曲」は、典雅な魅力にあふれる演奏。
 モーツァルト最後の協奏曲、「クラリネット協奏曲」の演奏も実に心地よい。

モーツァルト : フルートとハープのための協奏曲
ミュンヒンガー(カール) トリップ(ベルナー) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
B00005FLON

モーツァルト オーボエ協奏曲

 ベルリン・フィルの主席奏者アルブレヒト・マイヤーによる、オーボエ協奏曲のCDを聴く。アバド指揮、マーラー・チェンバーオーケストラのサポートのもと、親しみやすい優美な旋律がニュアンス豊かに奏でられる。
 モーツァルトと親しかったルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン作曲のオーボエ協奏曲第1番もなかなか良い。

モーツァルト・アルバム
マイヤー(アルブレヒト) アバド(クラウディオ) マーラー・チェンバー・オーケストラ
B0002T21DI

ブラームス交響曲第1番

 近くの図書館で、ブラームス交響曲第1番のCDを探すと、普段は何枚か置いてあるはずの場所に、2枚しか見あたらなかった。Web上でその図書館のデータベースを検索すると、「ブラームス交響曲第1番」のキーワードでヒットした40件のCDのほとんどが貸出し中であった。「のだめカンタービレ」の影響だろうか。それとも、ブラームスに合う季節ゆえか。

 この曲は、ミュンシュの燃えさかるような演奏や、小澤征爾、サイトウキネン・オーケストラの熱演も良いし、バーンスタインの悠然とした演奏もこれまたよい。
 ワルターの明朗で懐の深い演奏も後味がたいへんよく印象に残る。

ドラマ のだめカンタービレ 8

 最近、コンサートになかなか行けない。そのため、のだめカンタービレでオーケストラの本番がある回は実に楽しみだ。
 さて、第8話では、ライジング・スター・オーケストラの初公演で、モーツァルトのオーボエ協奏曲とブラームス交響曲第1番が演奏された。始まる前のバックにボレロという斬新な演出。ブラームスでは、指揮が始まる前に、テレビの映像であるにもかかわらず、見ていて本物のコンサートのように緊張した。
 のだめが千秋のトラウマを解消しようとする場面は、丁寧な映像で作り手の思い入れが感じられた。

のだめカンタービレ (8)
二ノ宮 知子
4063404765

交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」

 リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」「死と変容」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を収めるCDを聴く。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、サンフランシスコ交響楽団演奏。「ツァラトゥストラはかく語りき」は、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭で序奏が用いられたことでも有名。
 洗練された演奏であり、極めて優れた録音により、シュトラウスの華麗で精緻な音楽が豊かに響く。

R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ブロムシュテット(ヘルベルト) サンフランシスコ交響楽団
B00005FKQU

R62号の発明

 最近、安部公房の初期の短編「R62号の発明」がよく思い出される。潜在意識下にあって刺激しつづける本編は、時代の先を見据えた名作であることを示している。

R62号の発明・鉛の卵
安部 公房
4101121095

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