リンカーン
アメリカ合衆国大統領、エブラハム・リンカーンの伝記を息子が読み終える。ケンタッキー州の荒れ野の丸太小屋に生まれ、わずかな教育しか受けなかったが、持ち前の勤勉さと向学心でついに弁護士になる。周囲からの支持を集め、政界に進出するが、落選を何度か経験する。黒人奴隷の解放を掲げ、大統領に就任するが、間もなく南北戦争が勃発する。リンカーンは時機をのがさず、奴隷解放の宣言をする。その波乱の生涯を息子の音読で辿ることは、楽しみの一つであった。
自由と平等の理念を、奴隷解放という形で具体化するまでの苦難、5年の長きに及ぶ戦争という試練は想像を絶する。その中でも人に対する優しさと国家建設の使命を持ち続けたリンカーンの偉大さは充分感じ取ることができた。
リンカーン―どれい解放の父
松岡 洋子
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