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ヴェデルニコフ シューベルト さすらい人幻想曲

 シューベルトの、楽譜に書くのが追いつかないほどに次々とほとばしり出てくる曲想を感じさせられる「さすらい人幻想曲」。ヴェデルニコフのピアノは、情熱と抑制の絶妙なバランスで表現しており、20分を越える曲だがずっと引きつけられる演奏であった。
 シューマンの「交響的練習曲」、ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」、いずれもドイツ・ロマン派のほのかな抒情とある種の渋みがないまぜになった独特の趣がある曲。真摯で抑制の美をもったピアノによる品のある演奏。

ロシア・ピアニズム名盤選-5 シューベルト:さすらい人幻想曲/シューマン:交響的練習曲/ブラームス:パガニーニ変奏曲
ヴェデルニコフ(アナトリー) シューベルト シューマン
B00008Z6S4

とり残されて

 「とり残されて」は、宮部みゆきの短編集。超常的な内容だが、ふわりとした暖みの残る作品が多い。

とり残されて
宮部 みゆき
4167549026

怖いから聞かないで

 稲川淳二の怪談話「怖いから聞かないで」のCDを、仕事帰りの車の中で聞いたが、困ったことにまったく怖くなかった。聞いたシチュエーションが悪かったのか、自分の感性が鈍いせいなのか分からないが、怖くないものは怖くない。単に年をとったせいだとしたら、ちょっと寂しい。

怖いから聞かないで~極選~
稲川淳二
B0009HA0EK

風林火山 27

 NHK大河ドラマ「風林火山」第27回は、甘利虎泰(竜雷太)、板垣信方(千葉真一)が凄みある演技を見せた回であった。今回の二人の前では、山本勘助は単なる狂言回しのようであった。

NHK大河ドラマ「風林火山」

モーツァルト荘

 高原のペンション「モーツァルト荘」で起るできごとを綴った連作短編集。「忍ぶ川」の三浦哲郎が、円熟の筆で人生の哀歓をしみじみと描く名編。

モーツァルト荘
三浦 哲郎
4101135096

明治天皇と日露大戦争

 「明治天皇と日露大戦争」は、昭和32(1957)年の渡辺邦男監督作品。日露開戦から終戦までを、御前会議の様子を含めて描く超大作。
 明治天皇を演じる嵐寛寿郎の威厳が素晴しい。御前会議の場面は、一幅の名画のような格調がある。
 戦争のシーンは、太平洋戦争を体験している世代が作っているためか、リアリティを感じた。特に、旅順要塞攻略戦の迫力は凄い。
 「今こそ民族の誇りと英知で世界平和に貢献しなければならない」というナレーションが入るなど、単純な戦意高揚の映画ではない。戦争を通じて様々な人間模様を点描した作品でもある。明治の気骨ある人々が多数の名優によって演じられた。その熱のこもった演技に圧倒された2時間であった。

明治天皇と日露大戦争 [DVD]
B0009RJF96

サザンオールスターズと黛敏郎

 サザンオールスターズの曲を聴くと、黛敏郎を思い出すことがある。黛敏郎は、現代音楽や映画・ドラマなどでも活躍をした作曲家だが、テレビ番組「題名のない音楽会」でクラシック音楽などを様々な角度から解説し、音楽の魅力を多くの人に伝えた功績は大きいと思う。
 その「題名のない音楽会」で、黛敏郎はサザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」を、日本語の乱れた歌の例として取り上げ、こき下ろした。「この訳の分からない歌詞はなんですか」と息巻く黛に向かって、その時のゲストであった宮川泰が「いいところもあるんですよ」と取りなしていたのが印象深い。今はお二人とも故人になってしまった。

勝手にシンドバッド
サザンオールスターズ

NUDE MAN

 サザンオールスターズの5thアルバム「NUDE MAN」は、サザン人気が過熱した頃の充実のアルバム。「DJ・コービーの伝説」から始まり、「匂艶(にじいろ) THE NIGHT CLUB」などのディスコ調、「NUDE MAN」「来いなジャマイカ」などの過激な曲から、懐メロ風の「流れる雲を追いかけて」、後に研ナオコがカバーした「夏をあきらめて」、バラードの名品「Oh!クラウディア」「Just a Little Bit」など、数々のヒット曲が収められている。まさに「夏こそサザン」の一枚。

NUDE MAN
サザンオールスターズ 桑田佳祐
B00005GXM1

新海誠 ほしのこえ

 新海誠監督による、心象スケッチ風のアニメーション。25分ほどの中編だが、これほどのクォリティのアニメーションが、ほとんど一人で描かれたことに感嘆する。日常の風景が美しい。特に、雲の表現には独特の雰囲気がある。

ほしのこえ
新海誠 武藤寿美 鈴木千尋
B000I2JEA2

キーシン ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

 エフゲニー・キーシンのピアノ、小澤征爾指揮、ボストン交響楽団のラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番のCDを聴く。美しく真摯なピアノと、小澤の好サポートで、安心して聴ける。アンコールの「ヴォカリーズ」「前奏曲 変ロ長調」のしなやかな演奏もよい。

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
キーシン(エフゲニー) ボストン交響楽団
B00005EG4J

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