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教師誕生

 「本当に大切なのは、子どもを変えること、成長させることです。」

 本書は、小学校の新任教員に対する指導教官であった著者による指導メモを元に記されたものである。メモは、授業を参観したことから気づいた良い点、改善すべき点について、一年目の教員に手紙の形で伝えられている。
 授業ひとつとっても、教員は様々なことに配慮しながら行わなくてはならない。学習ルールの定着、板書、ノートづくり、発問、一斉指導と個別指導、教える場面と考えさ せる場面、一人一人の活動の見取り、評価など、多くのことを考えて授業を組み立てる必要がある。
 著者は、授業の内容や生徒の様子から、具体的な指摘をして新任教員を導いていく。授業づくりのポイントから、個々の生徒への配慮事項、学級経営の姿勢など、その内容の豊富さには圧倒される。通読して、授業がいかに深い洞察を必要とするものであるかを突きつけられた。特に、担任として長い時間児童に関わる小学校教員の仕事は、職人芸ともいえる専門的な深みが必要であると感じさせられた。
 教員を目指す人、若い先生方に是非とも読んでほしい、授業づくりの観点が充溢している中身の濃い教育書。

教師誕生―新任教員と指導教官の記録
鈴木 義昭
480967519X

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