モーリス・ベジャール
モーリス・ベジャールが、11月22日に亡くなった。80歳。
ベジャールの振り付けたバレエ「ボレロ」を、生で一度だけ見たことがある。確か1993年5月だと思ったが、五反田のゆうぽうと簡易保険ホールでの、来日公演であった。ダンサーの名前も、「ボレロ」以外の演目も忘れてしまったが、その躍動感溢れるバレエは今なお記憶に新しい。
それと共に忘れがたいのは、休憩時間のサロンでの光景。当時、テレビ番組「題名の無い音楽会」の司会をつとめていた黛敏郎、女優の岸田今日子、東京都交響楽団の首席指揮者若杉弘の三氏が談笑をしている姿だ。黛氏が手振りを交えながら楽しそうに話し、それを両側の二人がにこやかに聴いている情景がたいへん印象に残っている。黛、岸田の両氏も亡くなられてしまったが。
「愛と悲しみのボレロ」は、露、仏、独、米で活動していた音楽家、舞踏家の4つの家族がたどる、激動の45年間を描いたクロード・ルルーシュ監督の映画。モーリス・ベジャールは、この映画の振り付けで不朽の名声を得た。
輪廻を想起させる「ボレロ」は、モーリス・ベジャールを偲ぶ音楽にふさわしいと感じる。
愛と哀しみのボレロ
ジェームズ・カーン ロベール・オッセン クロード・ルルーシュ
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