立川談志 「ぞろぞろ」「黄金餅」
息子が国語の教科書を音読するというので、聴くと、落語「ぞろぞろ」であった。教育出版の教科書である。「アジアの笑い話」として、モンゴル、中国、韓国などの話の後、古典落語「ぞろぞろ」のあらすじが紹介されている。
それでは、実際の落語をと、子どもに聴かせるために図書館から「ぞろぞろ」のCDを借りてくる。立川談志が昭和44年に紀伊国屋ホールで演じたものだ。録音状態があまりよくなく、やや明瞭さに欠けるが、味わいがあった。
子どもたちには、まくらが長く、やや分かりづらかったかもしれないが、それでも雰囲気は伝わったようだ。ただ、談志の噺は、女好きの神様が中心に据えられているため、「これが『ぞろぞろ』なの?」との反応。ちょっと子どもたちには難しかったようだ。
「黄金餅」は、談志の十八番であるとのこと。確かに、この異様にブラックな落語は、語り手によっては後味の悪い印象になってしまうだろう。その点、談志の「黄金餅」は、そのキャラクターもあいまって、からりとした感じを受けた。
「落語とは人間の業の肯定である」との信条を体を張って示している人なればこそ「黄金餅」が光るのかもしれない。
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