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学校崩壊

 1997年の神戸連続児童殺傷事件、98年の黒磯事件などをきっかけに、「学級崩壊」について急速に目が向けられるようになった。
 「学校崩壊」には、現場で真剣に生徒と向き合ってきた河上亮一氏の実体験に基づき、児童生徒の変化と、行ってきた対応、マスコミの言説に対する批判が記されている。1999年に発刊された本であるが、現在でも示唆に富む。
 「他人を受け入れない、固くて狭い自我を持った子どもの登場」「社会的自立がきわめて困難になった子どもたち」は、フリーターやニートの増加などの社会問題につながっている。また、クレームが急増し、閉塞感のある現状とも関連がある。
 著者は、目の前の事態に対し、「できることを精いっぱいやる、そのうえで、できないことはできないと、社会に向かって発言し、問題を公にすることが要求される。」と記す。第一線で生徒指導に取り組んだ著者の実感がこもっている。現実をしっかり見据えることを訴えた教育書。

学校崩壊
河上 亮一
4794208677

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