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彫刻をめぐる空間

 ヤマダ電機の「旗艦店」が高崎駅に隣接してオープンした。プリンタのインクを買いがてら家族で出かけたが、たいへん混雑している。最上階には、レストランが軒を並べているようなので、子どもがゲーム機で遊んでいる間に偵察するが、結構いい値段。とりあえず、お昼は何を食べたいかと子どもに聞くと、「栄寿亭のカツ丼」と長男が答える。
 栄寿亭は、駅から歩いて10分ほどの場所にある素朴な食堂。メニューのカツ丼は、和風のだしを使った飽きのこない味。400円という安さもあり、この味を求めて来る人は多い。カウンターは15席しかなく、昼時は立って待っている人が列をなす。お弁当の注文もひっきりなしにある。

Tetugakudo01  帰りがけに高崎哲学堂のそばを通ると、「彫刻をめぐる空間」というプレートが立っている。以前、「ウェグナーに座ろう」という企画展で一度訪れたことがある。今回、無料で公開しているようなので、門をくぐり緑に囲まれた古風な邸宅に入る。
 玄関には、無造作に三角形のオブジェが置かれている。田中栄作氏の「山」という作品のようだ。邸内に入ると、アントニン・レーモンが設計した和洋が調和した部屋に、人や動物のブロンズ像などがそこかしこに配置されている。椅子に座り、ゆっくりと見回し、独特の空間を味わう。さりげなく、佐藤忠良氏の「ミーマア」というブロンズ像も置かれている。

Tetugakudo02 人もほとんどいないので、猛暑の中歩いてきた子どもたちは和室に寝そべってしまう。その手の届くところに、大きな椅子にの林檎がのっている深井隆氏の作品がある。畳に寝ながら彫刻と庭を同時に鑑賞できるとは、なんとも贅沢な空間。

 庭先におかれたオブジェは、すがしい竹を背景に独特の趣を醸している。茂木康一氏の銀色のオブジェが、緑に囲まれた中で夏の陽を反射し、柔らかな存在感を示す。

Tetugakudo03  これらの作品は、高崎市美術館が増築工事で休館となっているため、隣接する高崎哲学堂に展示されることになったもの。彫刻たちは、哲学堂と庭園によく調和し、緑と響き合いながら高崎の文化の息づかいを静かに伝えていた。

高崎市美術館彫刻展 彫刻をめぐる空間

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