博士の異常な愛情
核戦争の恐怖を、シニカルなタッチで描いたスタンリー・キューブリック監督による1964年公開の映画「博士の異常な愛情」。ピーター・セラーズが、邦題の基になっているストレンジラヴ博士、大統領、英国大佐の三役をこなし、才能を発揮した。キューブリックの細部まで徹底した作り込みと絶妙なカメラワークにより、引き締まった映像となっている。
米国大統領ら首脳部が会議をする、ソビエトの地図が映し出された巨大なスクリーンのあるワー・ルームが圧巻。この視覚効果は、後の様々な映像作品に大きな影響を与えた。1981年にロナルド・レーガン大統領がホワイト・ハウスに就任して、最初に見たいといった施設がワー・ルームだったという話もある。
途方もないブラック・ユーモアを、職人芸とこだわりで練り上げた異色のSF。
博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
スタンリー・キューブリック
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