怪談傑作集(4)注文の多い料理店
吉行淳之介の監修による短編小説の朗読CD怪談傑作集(4)を聴く。宮沢賢治の「注文の多い料理店」が怪談かどうかは異論があろうが、滝田裕介の巧みな語りは、ひたひたと迫る怖さを感じる。他に、文学的な香気を色濃く持った夢野久作「卵」、久生十蘭「母子像」、展開が見事な牧逸馬の「赤ん坊と半鐘」を収める。
名優による朗読のすごさを実感できる。時折、つなぎの音楽が付けられているが、腹立たしくなるほど余分と感じた。雰囲気がこわれ、邪魔以外の何者でもない。声だけでその世界をじっくりと味わいたい。
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