« 司馬遼太郎が語る 第8集 | メイン | 胡蝶の夢 第2巻 »

胡蝶の夢 第1巻

 「胡蝶の夢」は、幕末の蘭学者たちの姿を通し、江戸期の身分社会を越えていった人々を描く司馬遼太郎の小説。
 「坂の上の雲」は、冒頭に松山が舞台となっていたが、「胡蝶の夢」は、佐渡から始まる。この出だしがまた秀逸である。佐渡では、世界地図に造詣の深い人が描かれ、一地方から全てを見渡す物語の手法を象徴している。
 島倉伊之助という不思議な主人公を据え、松本良順との師弟関係を軸に、幕末の医療を浮かび上がらせていく巧さは、見事としか言いようがない。

胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫)
4101152276

コメント

コメントを投稿

アクセスランキング

Ajax Amazon

  • Amazon.co.jpアソシエイト
  • UserLocal
  • Ajax Amazon
    with Ajax Amazon