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屋久島 2日目

Yaku_20  屋久島2日目。縄文杉に行くため、朝4時に起きる。外はどしゃぶりの雨。車で荒川登山口に向かう。数台の駐車スペースは満車になっていたが、脇に停める。休憩場で装備し、激しく雨が降る中、トロッコ道を進む。

Yaku_21  杉の伐採事業を行うために設けられた安房森林鉄道の軌道をすすむ。大正12年から昭和45年まで屋久杉の運搬に使われた軌道だが、現在は管理や切り株の運搬などに使われている。途中、欄干のない橋などを渡り、延々8kmを歩く。

Yaku_22  縄文杉への大株歩道入り口に、2時間かけてようやく着く。随分歩いたが、ここまでは準備運動のようなもので、ここからがメインの登山道であった。随分と山奥だが、水がごうごうと流れいる。この潤いが森をはぐくんでいる。

Yaku_23  すぐに雪に覆われた道なき道になる。踏み固められた雪を頼りに歩く。少しでもルートをはずれると、雪に足を踏み入れてしまう。深い崖と隣り合わせであり、気を抜けない。

 雪道を30分ほど進むと、ウィルソン株に出会う。大きな切り株で、数人が一度にYaku_25 入ることができる。上をみると、ハート型に切り口が見る。

Yaku_26  雪ですべりやすくなっているので、靴にスノースパイクを付けて進む。夫婦杉を通過したあたりで、ヤクシカの親子に出会う。食事中であった。こちらに気づくと奥にはねていってしまったが、後ろ足をずるっと滑らせた。シカもすべるほどの状態なので、こちらも気を引き締めていく。

Yaku_27 沢をいくつも越え、最後の急峻な登りをこなし、ようやく縄文杉に出会える。数千年の時を越え、立ち尽くしてきた姿には言いしれぬ感慨を覚える。

Yaku_28  木の幹は複雑な模様が刻まれ、長き 星霜を経てきた重みを感じる。泰然とした佇まいに、いままで登ってきた疲れを忘れ見入る。

Yaku_29  降りしきる雨と上昇してきた気温で、帰りの雪はいっそう滑りやすくなっている。慎重に歩を進めて下る。

Yaku30  大株歩道入り口に戻ったときには、ほっとする。ここからは比較的平坦なトロッコ道だ。
 軌道を少し歩くと、晴れ間が見えるようになった。

Yaku_31  行きは雨具に視界を遮られ、滑らないよう足下を見ていて周りをみるゆとりがなかったが、晴れた周りの景色は行きとまったく違って見える。陽をうけた植物は嬉々としているかのようだ。
 植物の葉は、本州より厚くたくましい。力強い生命の息吹をここかしこに感じる。

Yaku_32  ところが、少し進むと晴れ間はすぐに消え、雨が降り始める。次第に雨は勢いを増し、激しくたたきつける。トロッコ道の片側は滝のようになり、もう片方の断崖に水が強い勢いで落ち込む。
 橋を渡るときの川は、轟然とした濁流になっている。トロッコの軌道間に水がたまり、川の中を歩いているようである。

Yaku_33  宿に戻ったときには、心底ほっとした。極めて貴重な体験ができた1日であった。

 

屋久島観光協会

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