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「科学者の楽園」をつくった男

 世界でも最高水準の研究を行っている日本が誇る研究機関「理化学研究所」。その波乱の歴史を、多くの科学者たちの足跡や歴史的背景を含めて描く本。
 ロンドンでの、夏目漱石とグルタミン酸ナトリウムの発見で知られる池田菊苗との出会いから始まり、第三代所長、大河内正敏のもとで科学研究が多彩に花開く過程が圧巻の筆致で語られる。
 長岡半太郎、本多光太郎、仁科芳雄、寺田寅彦、湯川秀樹、朝永振一郎など、多くの科学者たちの生涯にもふれられており、日本の近代科学史を俯瞰する書としてもたいへん興味深い。
 科学と社会との接点、科学と文学との関わりをも示唆した、知的興奮をよびさます重層的な著作。 

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