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アファナシエフ ショパン:マズルカ

 ヴァレリー・アファナシエフによる、ショパンのマズルカ集のCDを聴く。ゆったりとしたテンポで思索的に奏でられる13曲。長調は3曲だけで、トラック5から13まで延々と単調の曲が続く異例の選曲。しかし、その孤高の境地での演奏には不思議と安らぎを感じさせてくれる要素がある。

ショパン:マズルカ集
アファナシエフ(ヴァレリー)
B002SDNFRC

驟雨

 吉行淳之介の芥川賞受賞作「驟雨」を、渡辺謙が朗読したCDを聴く。娼婦に愛情を抱いてしまった男の心のゆれを描いた小説。男女の機微が巧みな情景描写を織り交ぜて表現された文学作品。
 渡辺謙の深みのある声が、作品に奥行きを与える。

驟雨 (新潮CD)
吉行 淳之介
4108300491
原色の街・驟雨 (新潮文庫)
吉行 淳之介
4101143013

刑事コロンボ「5時30分の目撃者」「忘れられたスター」

 刑事コロンボ「5時30分の目撃者」は、ジョージ・ハミルトンが女性を手玉にとる医師を演じ、コロンボとの対決色が強い作品。
 「忘れられたスター」は、ジャネット・リーによる陰影のある演技が素晴らしい。ジョン・ペインなど、存在感のある俳優が出演し、見応えがある。余韻の残るラストにより、コロンボ・シリーズの中でも出色の作品になっている。

刑事コロンボ 完全版(16) [DVD]
B00079UDPQ

エレガンス~リラックス・イン・ザ・ジャズ・ムード

 アート・ペッパーの「ユード・ビ-・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」、フィニアス・ニューボーンJr.の「ムーン・リヴァー」、ビル・エヴァンスの「いつか王子様が」、M.J.Q.の「朝日のようにさわやかに」など、ジャズの名演を集めたCD。どの曲も聴くほどに味わいが深まる。

エレガンス~リラックス・イン・ザ・ジャズ・ムード
ケニー・ドーハム オムニバス
B00009KM3H

スウィート・スタンダード・コレクション1~ロマンチックじゃない?

 「ロマンチックじゃない?」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」「ムーンライト・セレナーデ」など、ムード音楽の名曲を集めたCD。心地よい演奏で何度聴いても飽きがこないので気に入っている。鈴木章治とリズム・エースによる「鈴懸の径」はことに素晴らしい。

スウィート・スタンダード・コレクション1~ロマンチックじゃない?
B000UVASUQ

平清盛 15

 NHK大河ドラマ「平清盛」第15回は、「嵐の中の一門」。タイトルの割に、おとなしめの回で、弟家盛を亡くした後の清盛の姿を軸に描く。
 中井貴一演じる冷静沈着な平忠盛をも激高させる、藤原頼長役の山本耕史の怪演に凄みを感じた。
 松山ケンイチが無口でいる場面が多い回であり、そのせいか引き締まって見えた。「銭ゲバ」でも、第1話のほとんど口を開かない陰のある人物造形は素晴らしかったのに、回が進むにつれてベラベラ喋るようになると凄みがなくなっていった。この人は寡黙でいる方が絵になるようだ。

NHK大河ドラマ「平清盛」

平 清盛 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233594

オリエント急行殺人事件

 シドニー・ルメット監督による「オリエント急行殺人事件」は、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンス、ジャクリーン・ビセット、リチャード・ウィドマーク、アルバート・フィニーなど、豪華な俳優陣の競演が楽しめる映画。
 ほとんど車内での撮影にもかかわらず、カメラワークが極めて巧みであり飽きさせない。音楽、美術も素晴らしく、贅沢な作品。

オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
B000YGFPQ4

オリエント急行の殺人

 ミステリーの古典的名作「オリエント急行の殺人」。中学生の時、この作品を読もうとしたとき、他の生徒から「犯人は××だよね」と言われ、残念ながらそのトリックの素晴らしさを味わうことができなかった。
 しかし、大人になってから読んだらこれが抜群に面白い。犯人を知っていてもこれほど読む楽しみを与えてくれる推理小説というのは、それほどあるものではない。アガサ・クリスティーならではの人物造形や筋運びの巧みさがなせる技であろう。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー Agatha Christie
4151300082

レッツラ*ゴン

 赤塚不二夫の漫画「レッツラ*ゴン 」は、ハチャメチャ・ギャグの到達点。編集者をも巻き込んで展開されるシュールなギャクのオン・パレードには恐れ入る。

レッツラ*ゴン (小学館文庫―赤塚不二夫名作選)
赤塚 不二夫
4091935745

赤塚不二夫マンガ大全 「ぜんぶ伝説のマンガなのだ!!」

 赤塚不二夫の問題作を満載した別冊宝島編集の1冊。藤子不二雄、北見けんいち、武居俊樹のインタビューの後、赤塚のシュールな作品群が怒濤のごとく続く。
 たかがギャグ、されどギャグ。これらの作品には、自ら体を張って笑いを求めた者のみが到達し得る境地がある。
 「これでいいのだ。」という全肯定の体現には、強烈な発散と抑制のバランスがあることが感じられ、戦慄すら覚えた。

赤塚不二夫マンガ大全 「ぜんぶ伝説のマンガなのだ!!」 (別冊宝島) (別冊宝島 1769 カルチャー&スポーツ)
4796683178

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