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アンドロメダ…

 町全体の人々を死に追いやった細菌の正体を突き止める科学者たちの闘いを描いたマイケル・クライトン原作の映画「アンドロメダ…」。名匠ロバート・ワイズ監督による1971年の作品。
 研究室から外部に細菌感染を防ぐための措置など、科学的知見に基づいて綿密な設定がなされている。舞台がほとんど地下研究室であり、この上なく地味であるが、そのリアルさによって緊迫感が高まる。
 徹頭徹尾科学的描写を貫く、貴重なハードSF。

アンドロメダ・・・ [DVD]

2001年宇宙の旅

 今見てもまったく色あせることのないSF映画「2001年宇宙の旅」。人類が月に行く前に作られたとは信じがたいほどのクオリティがある。
 道具を使い始めた猿人の映像から、宇宙船に一気に飛ぶ時間。これほど長い時間の跳躍を、一瞬のうちにこうまで鮮やかに描いた作品は空前絶後であろう。そして、なにより美しい宇宙船の映像。完成途上の宇宙ステーションとのドッキングのシーンは何度見ても感銘を受ける。
 音もなく月面を滑り行く探査船のリアリティ。コンピュータHALの存在感。木星に近づくディスカバリー号の神々しいまでの姿。どの映像も、心の深層に訴える力をたたえている。
 キューブリック監督の美学と技術が結晶した、SF映画における不滅の金字塔。

2001年宇宙の旅 (字幕版)

旅のラゴス

 高度な文明を失った代わりに、人々が特殊な能力を持った世界。その広大な地を旅する一人の男の半生を通し、文明の諸相が浮かび上がる。
 筒井康隆によるファンタジーSFの大傑作。

旅のラゴス(新潮文庫)

グールド ブラームス 間奏曲集

 ブラームスの晩年のピアノ曲は、実にいい。特に、作品116から119は、珠玉の小品。ささやかな喜びと哀感がない交ぜになった音楽は、ブラームスならではの、人生が凝縮された深い味わいがある。
 これらブラームスの傑作から、グレン・グールドが選曲し、繊細に綴るピアノは、ひとつひとつの音に研ぎ澄まされた感性がきらめく。
 なかでも、作品117には強く惹かれる。瞑想的でありながら暖かみを含み、孤高であるがゆえに、かえって寄り添うような癒しを与えてくれる。

ブラームス:間奏曲集、4つのバラードより&2つのラプソディ

ミュンシュ ブラームス交響曲第1番

 シャルル・ミュンシュ指揮、パリ管弦楽団によるブラームス交響曲第1番は、圧倒的な名演。溢れんばかりのエネルギーとパリ管の音色の魅力により、稀有の濃密さで音楽が迫ってくる。

ブラームス:交響曲第1番(クラシック・マスターズ)

第九軍団のワシ

 ローマ時代を舞台とした、ローズマリー・サトクリフによる1954年の小説を原作とする「第九軍団のワシ」。
 ローマの辺境の地での戦闘が独特の迫力。古き良き時代の映画の趣きを感じる冒険活劇。

第九軍団のワシ(字幕版)

心と耳にのこるCMのうた Vol.2

 「ウィスキーが、お好きでしょ」「こんこん昆布つゆ」「レナウンワンサカ娘」「人生デ★ラックス」など、CMで使われた歌の数々がフルバージョンで収録されている。
 雰囲気のある曲、元気で勢いのある曲が多く、BGMにも良い。任天堂のゲーム「ピクミン」の「愛のうた」は、妙に印象に残る曲。

心と耳にのこるCMのうた Vol.2

伊奈かっぺい 腹這いのララバイ

 津軽弁など、ことばをネタにした伊奈かっぺいのトークライブ。デビュー40周年記念として発売されたCD。
 良い意味で力の抜けた、リラックスして聴ける話芸にふれることは、現代では貴重な時間かもしれない。

レコードデビュー40周年記念盤「腹這いのララバイ~40年目の落書き~」

映画 寄生獣 完結編

 原作は10巻に及ぶコミックであるが、映画では原作のエッセンスをよくまとめ、充実した映像作品に仕上げている。
 染谷将太、橋本愛、深津絵里など、実力派俳優が結集し、中身の濃いドラマとなった。
 パラサイトの存在により、人のありようを浮き上がらせる鮮烈な映画。

寄生獣 完結編

映画 寄生獣

 人間への寄生生物との闘いを描いた岩明均の漫画「寄生獣」。山崎貴監督により映画される。漫画を読んだときは、実写化は困難だろうと思ったが、見事に表現されていた。
 強烈なサスペンスをもつ意欲作。

寄生獣

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