柳家小三治 厩火事/品川心中
柳家小三治の落語「厩火事」「品川心中」のCDを聴く。どちらもCD1枚分の長さをもち、2枚組となっている。
巧みな情景描写と、おかしみをもった絶妙の人物造形で楽しませてくれる。飄々と語る中で人の情をくっきりと伝える名人芸がここでも味わえる。
柳家小三治の落語「厩火事」「品川心中」のCDを聴く。どちらもCD1枚分の長さをもち、2枚組となっている。
巧みな情景描写と、おかしみをもった絶妙の人物造形で楽しませてくれる。飄々と語る中で人の情をくっきりと伝える名人芸がここでも味わえる。
星新一のショート・ショートを原作とする落語3席を収録した音源。「戸棚の男」を古今亭志ん朝、「ネチラタ事件」「四で割って」を柳家小三治が語る。
星新一の発想豊かなひねりの利いた話が、落語には良く合う。屈指の落語家2名によって、いやおうなくその世界に引き込まれる。特に、「ネチラタ事件」はまさしく落語にうってつけで、小三治の楽しそうな語りに終始笑いがこみ上げてくる。
藤沢周平の小説「驟り雨」「朝焼け」を柳家小三治が朗読したCDを聴く。江戸を舞台にした、癒しと再生の物語。
小三治の絶妙の語りが素晴らしい。
柳家小三治は朗読の名手でもあった。
松本清張の時代小説「左の腕」「いびき」を、柳家小三治が朗読したCDを聴く。清張の鋭い人間観察に裏打ちされた2つの短編は、ミステリアスな展開の妙味とあいまって引き込まれる。柳家小三治が、きっぷのいい台詞回しで小気味よく聴かせてくれる。
清張の文章は、テンポといいすっと気持ちに入る表現といい、実に見事で感心する。
柳家小三治の落語「野晒し」のCDを聴く。まくらが30分と、延々茶飲みばなしのように話しているのであるが、これが絶妙に楽しい。演じ手も観客となって笑い、場の一体感がある。まさに話の達人である。
落語にスッとはいると、肩の力が抜けた独特のかるみを持った噺。いいあんばいの落語である。
柳家小三治の落語「あくび指南」「不動坊火焔」のCDを聴く。「あくび指南」は、あくびの仕方を教えるというありえない話を、ディテール豊かに演じ、ほっこりとした気分にさせてくれる。「不動坊火焔」は、長屋連中のやりとりが楽しい、これまた軽い心持ちで聴ける口演。
柳家小三治の落語「百川」「厄払い」が収められたCDを聴く。
「百川」では、田舎者の百兵衛、「厄払い」の与太郎と、ともに社会の弱者であり、ともすると暗い話になりがちである。しかし、小三治が演じると生き生きと精彩を放ち、言動が明るい笑いに変わる。
小三治ならではの名人芸が堪能できる落語。
柳家小三治の落語「味噌蔵」「小言念仏」が収録されたCDを聴く。 「味噌蔵」は、けちな旦那が出かけた留守に奉公人たちが宴会を開く噺だが、この宴会が実に楽しそうで、それも、前半のケチぶりが徹底して描かれているが故である。緩急の妙が効いた構成感のある落語。
「小言念仏」は、話し手によってまったく面白くなくなってしまう噺。小三治の闊達な話しぶりが、この難しい演目を生気溢れるエンターテイメントに昇華させている。
小三治の落語は、肩の力を抜かせてくれる。「提灯屋」の、自由奔放な人々の姿には、溜飲とあこがれがないまぜになった思いを感じた。いつもは提灯屋的な立場にいるために余計そう感じるのだろうか。
「かんしゃく」 は、権力と表裏になったかわいげが巧みに表現され、余韻が残る落語。
小三治の長大なマクラが、いつもながら楽しませてくれる。とりとめなく話しているようできちんと構成され、そのまま古典落語に繋がるところが粋である。
聴く者の気持ちを汲んだ語りの魅力をたっぷりと味わえる一席。
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