不都合な真実

 北海道洞爺湖サミットが7月7日に開幕した。地球温暖化問題も主要議題のひとつであるが、前日に行われた福田首相とブッシュ大統領の日米首脳会談では、温室効果ガス削減の長期目標の設定について、双方の主張が平行線をたどる結果となった。

 ドキュメンタリー映画「不都合な真実」は、ゴア元合衆国副大統領の講演を通して地球温暖化の問題をじっくりと提示する。豊富なデータと映像で示される事実は、圧倒的な説得力をもって迫ってくる。第79回アカデミー賞における長編ドキュメンタリー映画賞・歌曲賞受賞作品。

不都合な真実
デイビス・グッゲンハイム
B000MQCT24

Classical ever! Movie

 映画の中で用いられたクラシック音楽や、クラシカルな雰囲気をもった曲を集めたアルバム「Classical ever! Movie」。荘村清志のギターによる「ディア・ハンター」のテーマ、カラヤン・ベルリンフィルによる、シューベルトの交響曲「未完成」、リッカルド・ムーティによるベルディのレクイエムなど、一流のアーティストによる演奏が詰め込まれている。スタンリー・キューブリックの最後の作品「アイズ・ワイド・シャット」に使われたショスタコーヴィチのワルツなど、ちょっぴりマニアックな選曲も程よいアクセント。

Classical ever! Movie (CCCD)
フィラデルフィア管弦楽団 荘村清志 エンニオ・モリコーネ・オーケストラ
B0000TCMG6

スパイダーマン3

 サム・ライミ監督の映画「スパイダーマン3」は、アクションシーンが多くなり、盛りだくさんの趣向を備えている。しかし、多くの要素を詰め込みすぎたせいか、ストーリーは1・2作に比べるとやや冗長な感じを受けた。

スパイダーマン™3
キルステン・ダンスト, トビー・マグワイア, ジェームズ・フランコ, サム・ライミ
B00197OO0A

スパイダーマン2

 サム・ライミ監督の映画「スパイダーマン2」は、苦悩する主人公の姿を描き、単なるヒーロー物に終わらせないシナリオが良い。敵役の、4本のアームに操られる天才科学者も味がある。アームに表情すら感じる視覚効果の秀逸さが光る。主人公を支える、ローズマリー・ハリス演じるメイおばさんの優しさや、傷ついたヒーローをかばうニューヨークの人々など暖かみのあるシーンが多く、激しいアクションとコントラストをなし、バランスのとれた映画となっている。

スパイダーマンTM2
トビー・マグワイア.キルスティン・ダンスト.アルフレッド・モリーナ, サム・ライミ
B000R8XA16

スパイダーマン

 アメリカン・コミック「スパイダーマン」の映画第1作を見る。トビー・マグワイア主演、サム・ライミ監督2002年作品。
 いかにもアメリカン・コミックという派手なコスチューム、人が蜘蛛のようになるというこれまた単純な発想で、正直バカにしていたのだが、見ると映画はなかなかの出来ではないか。
 青春の悩み、家族の絆など、様々なテーマを無理なく織り込んだ脚本が良い。主人公がスパイダーマンとしての力を開花させていくシーンも面白い。敵役となるウィレム・デフォーの重厚な演技も見応えがあった。そして、何より蜘蛛のように街を飛来するという、およそ実写は無理だと思われていたシーンを、見事に映像化している。その飛翔感が、この映画の一番の魅力かもしれない。
 どんなに原作が良くても、脚本で台無しになる映画が多い中、「スパイダーマン」は実によく脚本が練られていたように思う。数限りない試行錯誤の積み重ねの上に、ストレートに心に響く作品が成り立っているのだろう。

スパイダーマンTM
B0009J8ESC

映画 ユメ十夜

「それで 今日まで生きている理由もほぼ解った。」

 夏目漱石の「夢十夜」をモチーフに、11人の監督が映像化した2007年公開の映画「ユメ十夜」。それぞれの監督が、イマジネーションを膨らませて独特の世界を繰り広げている。
 「第一夜」は、実相寺昭雄監督によるノスタルジックなSFXが駆使されているが、実相寺監督は公開前に胃癌のため死去し、これが最後の映画となった。「第二夜」は市川昆監督による無声映画風の演出など、各話ごとに独自のスタイルがとられている。「第六夜」の松尾スズキ監督による運慶の話などは、「電車男」のような演出であり、原作の趣とは違うものの、ここまではじけた作りであると、かえって突き抜けた面白さがある。
 バッハが様々なアレンジで現代に甦っているように、夏目漱石の作品も多くの人々の創作意欲を刺激し、百年を経てなおその魅力に気づかせてくれる。

ユメ十夜
小泉今日子
B000QW7NNO

バンダーブック

 1978年、日本テレビ系のチャリティ番組24時間テレビ「愛は地球を救う」のスペシャルアニメ第1弾として放送された「バンダーブック」。手塚治虫が演出・原案・構成を手がけ、ブラック・ジャック、ヒゲオヤジ、写楽など手塚キャラクターが続々登場する。また、様々なものに変身する「メタモルフォーゼ」への手塚のこだわりが随所に見られる。
 チーフディレクター、キャラクターデザイン、美術構成では坂口尚が参加し、絵のクオリティの高さは、劇場版に匹敵する。
 惜しげもなくアイディアとメッセージを詰め込んだ、手塚アニメの集大成ともいえる記念碑的作品。

100万年地球の旅 バンダーブック
坂口尚 手塚治虫
B000060NEO

告発

 アルカトラズ刑務所で深い心の傷を受けた受刑者と、新米弁護士との交流を描く映画。人間の尊厳を静かに語りかける。

告発
クリスチャン・スレーター
B00008453M

真実の行方

 リチャード・ギア主演の法廷サスペンス映画「真実の行方」。裁判の生々しい駆け引きが興味深い。エドワード・ノートンが強烈に印象に残る。

真実の行方
リチャード・ギア
B0001Z2XOK

包帯クラブ

 心に傷を負う人々のために、建物に包帯を巻く若者たちを描く、石原さとみ主演、堤幸彦監督の映画「包帯クラブ」。貫地谷しほり、柳楽優弥など、それぞれの俳優が個性を発揮している。全編、群馬県高崎市でロケを行っている。地味だが、味わいのある作品。

包帯クラブ
石原さとみ 柳楽優弥 堤幸彦
B0010DHXY2

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