されどわれらが日々
時代性という言葉でくくってはいけないのかもしれないが、つい、その言葉で総括したくなる。政治活動と青春がオーバーラップした時代の、混沌とした日々のペーソスを感じる小説。
時代性という言葉でくくってはいけないのかもしれないが、つい、その言葉で総括したくなる。政治活動と青春がオーバーラップした時代の、混沌とした日々のペーソスを感じる小説。
橋爪功が朗読する三国志44巻には、「立つ鳥の声」「諸葛氏一家」「臥龍の岡」が収められている。
いよいよ諸葛孔明が登場する。劉備の元を去る徐庶は、途中、諸葛孔明を訪ねる。
孔明の生い立ちと、世に出る前の姿が詩情豊かに描かれ、いよいよ橋爪功の朗読に聞き惚れる。
三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
橋爪功が朗読する三国志43巻には、「吟嘯浪士」「軍師の鞭」「庶とその母」が収められている。
新野の地で、劉備元徳は徐庶を見出す。徐庶は軍師として活躍し、劉備の軍の数倍の勢力をもって新野を襲う曹仁の軍を敗走させる。
惨敗を喫した戦の裏に徐庶がいることを知った曹操は、徐庶の母に、息子に手紙を書かせて劉備のもとを去らせる画策をする。このときの、曹操と徐庶の母との場面が素晴らしく、鳥肌が立つほど感動した。
戦、人とのつながり、母子の情、人間の矜持と、三国志の醍醐味が凝縮された巻。
三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
橋爪功が朗読する三国志42巻には、「食客」「檀渓を跳ぶ」「琴を弾く高士」が収められている。
劉表に身を寄せた劉備元徳を蔡瑁が亡き者にしようと謀る。奔馬と共に断崖を跳び、激流を超えて辛くも逃げ延びる。逃亡の途中で寄った家の主から、臥龍・鳳雛を耳にする。臥龍こそ、後に軍師として活躍する諸葛孔明のことであった。
孔明との出会いに繋がる巻であり、ストーリーラインの巧みさにうなる。
三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
橋爪功が朗読する三国志41巻には、「邯鄲」「野に真人あり」「遼西・遼東」が収められている。
袁一族の末路を哀切に描く巻。
橋爪功の切々たる朗読が、栄枯盛衰のあわれを感じさせる。
三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
NHK大河ドラマ「八重の桜」第19回は、「慶喜の誤算」。
徳川慶喜役の小泉孝太郎が、NHKのホームページで「首相の息子だったことでトップの人間の考え方とか時間の使い方もなんとなくわかるというか、慶喜が家臣といるシーン、近習が報告にくるシーンなど自分の今までの生活につながるところがありました。」と語っている。確かに、背負っている重みと切れる頭脳から、ありとあらゆる手を尽くして徳川を守ろうとする。それが、他からは奇行と見られるのだろうが、本人はおかまいなし。その雰囲気が、あまりに良く出ており、慶喜にうってつけの配役である。
大政奉還、王政復古の大号令という史実を緊迫感溢れる中で、堂に入った俳優たちが悠然と演じ、見応えのあるドラマとなっていた。
「字は人を表す」というが、自らの字に恥じる場面も多い。たまにはこのような本で整った字を書く練習も必要かと感じる。状況に応じた字が示された実用的な書。
ピーターラビットを産みだしたビアトリクス・ポターの挿絵や、イギリス湖水地方の写真を多数収録した大型本。ポターの生い立ちや、ピーターラビットに登場するキャラクターが誕生する背景が載せられている。温かく品のある美麗な本。
ピーターラビットとビアトリクス・ポターの世界
カミラ ハリナン Camilla Hallinan
NHK大河ドラマ「八重の桜」第18回は、「尚之助との旅」。会津の周縁の地域を見回る尚之助と八重。戦の足音が刻一刻と近づく雰囲気を醸していた。
いつもながら、徳川慶喜、大久保利通、岩倉具視などの京都バートは見応えがある。大山弥助、後の大山巌を演じる反町隆史の存在感もなかなかのものであった。
最近のコメント