少年アリス

 夏から秋に変わる季節、少年が夜の学校で体験した出来事を透明感のある文体で表現した長野まゆみのファンタジー「少年アリス」。
 今をときめく声優陣と清澄な音楽で築かれたオーディオ・ドラマは、静かな煌めきを放ち、たおやかな時を紡ぐ。

少年アリス (河出文庫)
長野 まゆみ
4309403387

少年アリス
ドラマCD 子安武人 高山みなみ 石田彰 緒方恵美 山口勝平 松本保典 岡野浩介 鳥海勝美 上田祐司
B00005FEUX

真夏の死

 三島由紀夫の短編「真夏の死」を、蟹江敬三が朗読したCDを聴く。
 伊豆今井浜で実際に起こった事件を題材に、子どもを失った女性の心理を緻密に描写する。重々しい場面の連続であるが、絢爛たる文体が打ち寄せる波のような韻律を奏でる。

真夏の死 [新潮CD]
三島 由紀夫
4108300963

橋爪功朗読 三国志 16

 橋爪功が朗読する「三国志」第16巻には、「人間燈」「大権転々」「秋雨の頃」が収められている。
 壮絶な董卓の最期とその後の混乱を描く。転変、また転変。天下は濁流のごとく乱れ、民の安寧と真の英傑に対する渇望を覚える。

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

橋爪功朗読 三国志 15

 橋爪功が朗読する「三国志」第15巻には、「痴蝶鏡」「絶纓の会」「天ピョウ」が収められている。
 絶世の美女、貂蝉をめぐり、呂布と董卓の間の亀裂が深まる様を、じっくりと描いていく。
 橋爪功の語りはどの場面でも冴えわたり、聴き手を惹き付けてやまない。

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

橋爪功朗読 三国志 14

 橋爪功が朗読する「三国志」第13巻には、「石」「牡丹亭」「傾国」が収められている。
 王允が、養女の貂蝉を用いて董卓と呂布の仲を裂こうとする。実に面白い箇所で、筆者も活き活きと書いている感じが伝わってくる。
 貂蝉の覚悟と哀れさが見事に表現されており、読み手を惹き付けてやまない。次を聴かずにはいられない巻。
 

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

橋爪功朗読 三国志 13

 橋爪功が朗読する「三国志」第13巻には、「白馬将軍」「溯江」が収められている。 劉備と趙雲が出会い、お互いに敬意を抱くシーンが印象的。袁紹と公孫瓚、孫堅と劉表など、各地で豪傑同士の戦いが始まる。橋爪功は転変する物語を自在の呼吸で鮮やかに描き出す。

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

山本一力 人生の目利きになる

 作家、山本一力が2006年に慶應丸の内シティキャンパスで行った講演。旅行代理店、デザイン会社などで自ら体験した中から素直に語られる話には、人生の教訓がちりばめられる。

人生の目利きになる [慶応MCC夕学セレクション]


山本一力
4903478505

橋爪功朗読 三国志 12

 橋爪功が朗読する「三国志」第11巻には、「洛陽落日賦」「生死一川」「珠」が収められる。董卓が洛陽から長安への遷都を強行する惨状、曹操の窮地に陥るこれでもかという描写が眼前に浮かぶように語られる。
 諸侯軍が空中分解する有様は、組織の推移を示す一典型であり、この物語にはあらゆるものが凝縮されていることを端的に表している。

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

橋爪功朗読 三国志 11

 橋爪功が朗読する「三国志」第11巻には、「関羽一杯の酒」「虎牢関」が収められる。
 いやあ、とにかく関羽、関羽がかっこいい。並み居る武将をなぎ倒す猛将、華雄。関羽は名乗りを上げ、単騎戦場に駆け入ると与えられた酒が冷えるまもなく華雄の首を討ち取る。
 張飛、関羽の面目躍如たる様を一気呵成の呼吸で鮮やかに描き、いよいよ朗々たる語りが冴える。

三国志 朗読:橋爪功 原作:吉川英治

1リットルの涙

 はっきりと考えられるのに、徐々に体の自由が奪われる難病「脊髄小脳変性症」にみまわれた少女の手記「1リットルの涙」。
 素直に気持ちが綴られており、その前向きさにはただただ頭が下がる。

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)
木藤 亜也
4344406109

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