平清盛 37
NHK大河ドラマ「平清盛」第37回は、「殿下乗合事件」。今回は極めて充実した回であった。平時忠が、平氏の力を示すために隠然とした圧力を藤原氏に示す。
一方、源頼朝の側にも、平氏への不満が徐々に高まる様子が現れる。清盛のゴッドファーザーぶりが表現され、緊迫感のあるエピソードに仕上げられていた。
京本政樹演じる藤原秀衡もわずかな時間しか映らなかったが、印象に残る。久しぶりにワクワクする感じを与えてくれる回であった。
NHK大河ドラマ「平清盛」第37回は、「殿下乗合事件」。今回は極めて充実した回であった。平時忠が、平氏の力を示すために隠然とした圧力を藤原氏に示す。
一方、源頼朝の側にも、平氏への不満が徐々に高まる様子が現れる。清盛のゴッドファーザーぶりが表現され、緊迫感のあるエピソードに仕上げられていた。
京本政樹演じる藤原秀衡もわずかな時間しか映らなかったが、印象に残る。久しぶりにワクワクする感じを与えてくれる回であった。
横山光輝の漫画「三国志」、潮文庫の2巻では、黄巾族滅亡後の、漢王室の波乱を描く。
躍動感のあるコマ割りで、テンポ良く話が展開される。陰惨な場面も多く、特に董卓の横暴は凄惨である。しかし、横山の筆は簡潔な線でさらりと描き、全体に品格が感じられる希有の表現となっている。
三国志 (2) (潮漫画文庫)
横山 光輝
橋爪功が朗読する「三国志」第10巻には、「偽忠狼心」「競う南風」「江東の虎」が収められる。
曹操の逃走に同行する陳宮の眼を通し、曹操の人間性を如実に表す秀逸な描写が光る。橋爪功の緩急自在の呼吸で、曹操を中心に転変する時流がダイナミックに語られる。
橋爪功が朗読する「三国志」第9巻には、「赤兎馬」「春園走獣」「白面朗「曹操」」が収められる。
呂布を味方につけ、漢室をほしいままにし、何后と廃帝を殺害する。その横暴ぶりがまざまざと浮かぶように語られ、自然と悲憤慷慨の念がわきおこる。名文と名調子のみが与えうる感情である。
「人というものは、良いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら良いことをする」
火付盗賊改役長谷川平蔵、人呼んで鬼の平蔵を主人公とした語り芝居、今回は『明神の次郎吉』を聴く。
冒頭の台詞を体現した作品で、憎めない悪人がメインの物語。ひねりがない話だけに、人情の機微が素直に伝わる。
NHK大河ドラマ「平清盛」第36回は、「巨人の影」。源頼朝、義経の情景をちらちらと挟みながら、平氏が増長していく様を描く。
平家の棟梁となる重盛(窪田正孝)は、その謹厳な性格故に周りとの軋轢を生じ、孤独の影をにじませる。ファミリーの不協和音と新たな勢力の萌芽を提示し、今後に興味をつないだ回。
開高健の講演「経験・言葉・虚構」(1972年)と「地球を歩く」(1984年)を収録したCD。
戦場でのルポルタージュや、大自然を相手に挑む釣りで世界を駆け巡る行動作家であり、その豊富な経験から語られる話は極めて含蓄があり刺激的である。
卓越した知性と無類のユーモアで聴き手の心をとらえる貴重な講演。
人類を進歩させた発明や技術の量や広がりは、なぜ大陸によって偏りがあるのか。農耕、家畜、文字、武器など、その伝播の歴史は多くのことを物語る。
人類史の軌跡を広大な視野でたどり、文明興亡の特質を明らかにする学際的な名著。
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰
南アメリカのインカ帝国は、わずかなヨーロッパ人によって滅ぼされたが、なぜ逆に南アメリカの文明がヨーロッパ文明を駆逐することがなかたのか。人類は1万3000年前には共通のスタートラインであったのが、現代社会で富とパワーの著しい相違が生じるようになったのは何が原因か。
この人類史の謎に、進化生物学、地理学、言語学などあらゆる学術的成果を総動員して挑む壮大な著作。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰
2歳の時に高熱で聴力、視力を失ったヘレン・ケラーと、電話の発明・普及を通じて、人類に多大な貢献をしたアレグザンダー・グレアム・ベルとの交流を描いた本。小学生でも読める易しい文章で書かれているが、中身は濃く、多くの写真と共に二人の生涯をたどることができる。
ベルは、母親、妻共に聴覚障害者であった。ベルは、難聴であった母に声を伝える経験を通じ、発声や伝達の仕組みに関心をずっと抱いており、それが電話の発明への情熱に繋がったといわれる。
ベルは若い頃、ボストン聾唖学校に勤め、その仕事に誇りを持ち、電話の発明家として大成した後も肩書きに「聴覚障害者の教師」を入れ続けたという。
ヘレン・ケラーを生涯支え続けたアニー・サリバンは、ベルがヘレンに家庭教師をつけるために、盲学校の校長を通じて呼び寄せた人であった。アニー・サリバンは、ヘレンを明るい世界に導いた。
技術と教育の双方に示唆を与えてくれる本。
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