向田邦子講演 言葉が怖い
向田邦子が1981年、飛行機事故で亡くなる半年前に行った講演のCDを聴く。
言葉に対する鋭い感性がきらめき、興味深いエピソードが語られている。特に、森繁久彌のスピーチの話、英語で育てられた犬との話は味わいがあった。
向田邦子は講演嫌いであったというが、きわめてきちんとした言葉遣いで語られるこの貴重な録音からは、日本語をいかに大事にしていたかが伝わってくる。
言葉が怖い (新潮CD 講演)
向田 邦子
向田邦子が1981年、飛行機事故で亡くなる半年前に行った講演のCDを聴く。
言葉に対する鋭い感性がきらめき、興味深いエピソードが語られている。特に、森繁久彌のスピーチの話、英語で育てられた犬との話は味わいがあった。
向田邦子は講演嫌いであったというが、きわめてきちんとした言葉遣いで語られるこの貴重な録音からは、日本語をいかに大事にしていたかが伝わってくる。
言葉が怖い (新潮CD 講演)
向田 邦子
短編の名手O.ヘンリの代表作「最後の一葉」「よみがえった改心」「賢者の贈りもの」を藤田弓子が朗読したCDを聴く。結末を知っていても、そのユーモラスで抒情に溢れた表現と、プロットの妙に、素直にうまいなあと感心する。
人間愛に満ちたストーリーが、柔らかな声で語られる心温まる一枚。
最後の一葉 (新潮CD)
O.ヘンリ
光触媒の発見者、東京理科大学学長の藤嶋昭氏によるブックレット。科学への熱い思いと教育への期待が語られている。中学生でも読める平易な言葉を用いているが、中身は濃い。誠実に科学に向き合う姿勢と教育への熱意が伝わってくる。
科学も感動から 光触媒を例にして
藤嶋 昭
「アルプスの少女ハイジ」「白い巨塔」など、テレビの黄金時代に数々の音楽を作曲しアニメやドラマに華やかな彩りを与えた渡辺岳夫。「作曲家・渡辺岳夫の肖像」は、その人物像を、親しく仕事をした人々や本人のエッセイから浮かび上がらせた本。
「キャンディ・キャンディ」など渡辺のヒット曲を数多く歌った堀江美都子は、音楽の魅力について本書の中で様々に語っている。
「人間の感情のひだにフッと触れるようなメロディーがあるんですよね。それを聴くといろんなことを想い出したりします。」
「私の得意なところも苦手なところもご存知の上で、ここはきっと上手く歌う、ここはちょっと苦手っていう箇所の入った曲を作ってくださいました。得意なところだけで作ってくれないんですよ。
歌っていうのは完璧に歌っちゃったら誰もいいって思ってくれないんだと。コンプレックスの部分があるから人間らしさがあって、みんなに愛される歌になるんだよ。完璧を求めるんじゃなくて人に感動を与えられる歌を歌うんだよと教わったんです。」
また、キューティーハニーなど、艶のある曲を歌った前川陽子は、歌っている様子から本人の孤独感など、渡辺に全部見抜かれていたと記されている。
渡辺はドラマの流れを大事にし、「白い巨塔」では「ここはあえて音楽を入れないようにしましょう」とプロデューサーの小林俊一によく話していたという。
多忙を極め仕事に疲れ果てていたとき、大切な「作曲ごころ」を取り戻したのは、「アルプスの少女ハイジ」であったという本人のエッセイは心にしみた。あの素晴らしいオープニングの音楽は、渡辺自身の復活の讃歌でもあった。
渡辺の仕事はテレビだけでなく、舞台の音楽や企業のイメージソングにまで及ぶ。その作曲数は優に一万を超える。本書の巻末に載っている渡辺が生み出した曲のリストは、一部であるにもかかわらずその膨大さに圧倒される。
昭和の文化、日本のメディアを支えた巨匠の姿を伝えてくれる貴重な書。
「チョコレートはどんな効果があるのか?」「なぜ乗り物に酔うのか?」「ホタルはなんのために光るのか?」など、身の回りの疑問を科学的に説明した本。科学雑誌Newtonの別冊であり、最近の知見も盛り込み、分かりやすく記述されている。
子どもが図書館から借りてきたが、よい内容なので購入する。身近な事柄から科学に興味を持たせられる良書。
城山三郎が1974年に行った講演を記録したCDを聴く。「鈴木商店」を率いた金子直吉、近代日本の礎を築いた渋沢栄一、清廉な姿勢を貫いた広田弘毅、3名の人間的魅力を語る。
各人の生涯は、小説「鼠」「雄気堂々」「落日燃ゆ」に詳しいが、城山三郎自身の肉声で語られる生き様に改めて感銘を覚える。
城山三郎講演 第1集 (新潮CD 講演)
城山 三郎
山本周五郎の短編「裏の木戸はあいている」を佐藤慶が朗読したCD。裏口の木戸の箱に、貧しい者がいつでも借りられる箱をおいた武家と周囲の人々との物語。確固としたヒューマニズムにあふれた傑作。
裏の木戸はあいている (新潮CD)
山本 周五郎
NHKの「100分de名著 『論語』」を見る。分かりやすい番組であった。テキストも読み物風でスラスラ読めるが、中身は濃い。著者は高校でずっと教えていただけあり、現代風の思い切った訳ですっと内容が入ってくる。
「論語」は紀元前の書物であるが、その中で教育論やリーダー論の根幹が極めて簡潔明瞭かつ説得力を持って語られていることにあらためて驚く。今日の啓蒙書で言われている趣旨のほとんどは、2500年前の孔子がすでに語っているといっても過言ではない。まさに、「人間学」の真の古典。
36名の先生方に、「情報主任マネジメント」という題をいただいて80分間講義をする。「教育の情報化」の動向や校内研修の事例、研究への姿勢などについて具体的に話をするが、時間が足りずまとまった形にならなかった。中身を精選することが大事と痛感する。
情報化時代の 学校変革力 —オピニオンリーダーからの提言—
堀田 龍也 玉置 崇 大西 貞憲 後藤 真一
フラッシュ型教材のススメ CD-ROM付
高橋純 堀田龍也
ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)
立花 隆
マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア
シーモア パパート Seymour Papert
コンピュータと教育 (岩波新書 黄版 332)
佐伯 胖
コンピュータが連れてきた子どもたち―ネットの世界でいま何が起こっているのか
戸塚 滝登
水上勉の「雁の寺」を池畑慎之介が朗読したCDを聴く。京都の禅寺を舞台にした愛憎の物語。池畑の端然とした美声が心地よい。登場人物を見事に語り分けており、とりわけ艶やかな女性の声が素晴らしい。
雁の寺 (新潮CD)
水上 勉
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