藤沢周平 驟り雨,朝焼け
藤沢周平の短編「驟り雨」「朝焼け」を、柳家小三治が朗読したCDを聴く。癒しと再生の物語。過去を抱えた人物たちの微妙な心のゆれを、小三治が絶妙の語りで表現している。
驟り雨,朝焼け (新潮CD)
藤沢 周平
藤沢周平の短編「驟り雨」「朝焼け」を、柳家小三治が朗読したCDを聴く。癒しと再生の物語。過去を抱えた人物たちの微妙な心のゆれを、小三治が絶妙の語りで表現している。
驟り雨,朝焼け (新潮CD)
藤沢 周平
長男が図書館から「人に話したくなる物理」を借りてくる。大学の先生と男女の学生の掛け合いで、物理についての話が語られる。マイクロ波、コリオリの力、物質の状態、偏光などを、電子レンジや携帯電話、3D映像など身近な話題とからめて説明している。
人に話したくなる物理 身近な10話
江馬 一弘 17025研究会
地球から3億キロメートル彼方の小惑星イトカワまでの往復飛行を成し遂げた探査機はやぶさ。その7年間の軌跡と、投入された数々の技術をビジュアルに解説したニュートン別冊は、まさしく科学のドラマを物語っている。
イオンエンジン、サンプラーホーンなど、前例のない技術を駆使し、世界初の小惑星リターン・ミッションを成功させる。そこには、日本の技術の底力を感じさせる。数々の危機を、周到に準備されたシステムを組み合わせ、あきらめずに工夫を重ねて乗り切る様には感動を覚える。
日本に勇気と希望を与えてくれる貴重なミッションであった。科学技術立国として、世界に誇れる技術を継承し進歩させるためにも、次のプロジェクトの成功を期待したい。
江戸時代初期、暦の作成に精魂を傾けた渋川春海の生き様を描いた冲方丁の小説「天地明察」。江戸城で囲碁を指南する渋川春海は、神社の絵馬に数学の問題を掲げた「算額」から、和算に惹かれていく。
関孝和、保科正之など魅力的な人物を配しながら、江戸初期の天文学、和算の動きをからめて和暦の成立をダイナミックに描く。時代小説であるが、ライトノベルのようにスラスラ読める。爽やかな歴史エンターテイメント。
第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞受賞作品。
天地明察
冲方 丁
化学について、図解を駆使して分かりやすく説明した、雑誌ニュートンの別冊「すぐわかる!ビジュアル化学」。原子と周期表、原子の結合、結晶構造などが、工夫されたイラストで表現され、見ているだけでも楽しい。
身近な物質との関わりなども多く記述されている。巻末には、白川英樹、野依良治、田中耕一などノーベル化学賞受賞者のインタビューとその解説も掲載されている。
岡本かの子の「老妓抄」「家霊」を奈良岡朋子が朗読したCDを聴く。虚無感と生命力がないまぜになった独特な文章を、奈良岡が繊細な語りで聴かせる。ことに、登場人物の微妙な心のゆれの表現は、名人芸的な見事さ。
老妓抄 (新潮CD)
岡本 かの子
老妓抄 (新潮文庫)
岡本 かの子
吉村和敏が世界中を旅して撮った牧歌的な風景の写真集。澄んだ空気の中に、陰影のある雄大な景色が広がる。心にしみいる癒しのアルバム。
PASTORAL
吉村 和敏
1983年から続く島耕作シリーズも、島が社長になり後継者を考える場面まで出てくるようになった。いよいよ完結に近くなったか。ストーリーは中国の尖閣諸島での中国漁船衝突を取り上げる。これまでの巻では、ウユニ塩湖などでのレアメタルをめぐる話など、話題を先取りする展開があったが、この巻では政治に関わる問題の後追いの感が否めない。企業間のダイナミズムをもっと描いてほしい。
社長 島耕作(8) (モーニングKC)
弘兼 憲史
司馬遼太郎の連作短編「新選組血風録」。隊士たちのエピソードを実によく掘り起こし、どの短編も興味深い。
「芹沢鴨の暗殺」など、殺陣の鮮烈な描写には息をのむほどである。沖田総司のキャラクターを決定づけた「菊一文字」など、深い余韻が残る作品が多い。
幕末の剣客集団である「新選組」に独特の審美眼を反映させ、味わいのある人生譚に仕上げている。
新選組血風録 (角川文庫)
司馬 遼太郎
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