茄子 3
茄子をモチーフに、人生の一コマを描く黒田硫黄の連作短編集「茄子」第3巻。富士山頂からインドまで、作者のイマジネーションの赴くままにストーリーが展開する。独特のタッチでさりげなく情感を浮かび上がらせる絵には、不思議な魅力がある。
茄子 (3)
黒田 硫黄
茄子をモチーフに、人生の一コマを描く黒田硫黄の連作短編集「茄子」第3巻。富士山頂からインドまで、作者のイマジネーションの赴くままにストーリーが展開する。独特のタッチでさりげなく情感を浮かび上がらせる絵には、不思議な魅力がある。
茄子 (3)
黒田 硫黄
藤沢周平の短編「約束」のCDを聴く。橋の上での再会を約束した2人の物語。美しい日本語で繊細な情感が綴られる名編。倍賞千恵子の朗読は、心の襞を丁寧に表現し、聴き手の心にストレートに響く。
夏樹静子の「路上の奇禍」は、なかなか凝った作りのミステリー。下の本は、「路上の奇禍」を含む4編を収める短編集。
死なれては困る (徳間文庫)
夏樹 静子
藤沢周平、晩年の傑作短編を六代目柳家小さんが朗読したCD。淡々とした語り口だが、登場人物の感情がじっくりと伝わってくる。繊細な情景描写に心洗われ、老骨にむち打って息子のために行動する主人公の気迫に静かな感動を覚える。
皆でわいわい言いながら、数学を学びあっていく。そんな情景が浮かぶ、「フーリエの冒険」。これほど分かりやすくフーリエ級数を扱った本はないだろう。新しい世界に冒険をする心持ちで数学に触れることができる。
波の成分の話から始まり、フーリエ展開、微分・積分、ベクトル、オイラーの公式、フーリエ変換と波の不確定性と進み、レベルは高い。しかし、手書きのイラストと具体的な例えにあふれ、たいへん親しみやすい。イメージが豊かで、数学の有用性を実感できる。高校生や大学生が読み進んで独習する価値が充分にある。
数学を学ぶ楽しさを伝えてくれる、素晴しい本。
フーリエの冒険
トランスナショナル・カレッジ・オブ・レックス
黒田硫黄による、ナスをモチーフにした連作短編「茄子」の第2巻。味のある筆づかいと、生き生きとした人物たちに魅了される。第1巻から引き続き登場するキャラクターには、ことに親近感をおぼえる。ビールの肴として焼き茄子が無性に食べたくなる。
集英社の学習漫画「中国の歴史」第2巻では、秦の始皇帝の誕生から、項羽と劉邦の戦い、武帝の親政、後漢の光武帝までが扱われている。漢文にもよく登場する箇所。当時の様子が、漫画によって鮮やかに描かれている。
吉行淳之介が監修した怪談集のCDを聴く。小泉八雲の「耳なし芳一」、夏目漱石の「夢十夜」から第三夜、村山 槐多の「悪魔の舌」が収められている。「耳なし芳一」は、滝田裕介の端正な朗読と琵琶の音による韻律が、静かな恐怖を呼び起こす。「夢十夜」の第三夜からは、文章の凄みを感じる。22歳で夭折した奇才、村山槐多の「悪魔の舌」は、久米明の表現豊かな語りで、心のざわめきを覚えさせる。
太陽の黙示録17巻に続く、「建国編」。新たな国を築くための地固めが、1話1エピソードで綴られる。この巻は実に面白かった。作者が本当に描きたかったテーマが、ようやく本格的に出てきたようだ。それだけに、作者の力の入れようを感じ、各エピソードがたいへん興味深い。
緻密な構想とリアリティ溢れる絵で描かれる一大叙事詩の第2章、夜明け前の清澄さと静かな高揚感を感じる幕開け。
太陽の黙示録 建国編 1 (ビッグコミックス)
かわぐち かいじ
かわぐちかいじの「太陽の黙示録」も17巻でひとつの区切りを迎える。三国志をモチーフに、分断された日本を描く巨編。諸葛亮孔明に相当する人物の登場で、主人公柳舷一郎が次のステージに移る足がかりが出来る。
フィクションとはいえ、ここまで壮大なスケールを持ち、卓抜したアイディアを次々に繰り出す作者の力に脱帽する。
太陽の黙示録 17 (17) (ビッグコミックス)
かわぐち かいじ
最近のコメント