松本清張 家紋
松本清張の短編小説「家紋」を、市原悦子が朗読したCDを聴く。北陸の信心深い土地で起った殺人をめぐる掌編。悲劇ではあるが、日本昔話を聴くような安堵感のある語りに自然と引き込まれる。
家紋 (新潮CD)
松本 清張
松本清張の短編小説「家紋」を、市原悦子が朗読したCDを聴く。北陸の信心深い土地で起った殺人をめぐる掌編。悲劇ではあるが、日本昔話を聴くような安堵感のある語りに自然と引き込まれる。
家紋 (新潮CD)
松本 清張
吉行淳之介の監修による短編小説の朗読CD怪談傑作集(4)を聴く。宮沢賢治の「注文の多い料理店」が怪談かどうかは異論があろうが、滝田裕介の巧みな語りは、ひたひたと迫る怖さを感じる。他に、文学的な香気を色濃く持った夢野久作「卵」、久生十蘭「母子像」、展開が見事な牧逸馬の「赤ん坊と半鐘」を収める。
名優による朗読のすごさを実感できる。時折、つなぎの音楽が付けられているが、腹立たしくなるほど余分と感じた。雰囲気がこわれ、邪魔以外の何者でもない。声だけでその世界をじっくりと味わいたい。
数学のノーベル賞とも言えるフィールズ賞を受賞した世界的数学者、広中平祐が語る人生論。父母のことや学者との交流などを、飾らない言葉で綴っている。数学の難問に立ち向かう中での様々な学者との出会いや受けた影響の記述は、特に示唆に富んでいる。
生きること学ぶこと (集英社文庫)
広中 平祐
中学時代にいじめを受け、自殺を図り、その後非行に走り、極道の妻になるまで転落を続けた著者が、弁護士となるまでに立ち直る軌跡を描いた「だから、あなたも生きぬいて」。そのCDブックを聴き、いたく感動を覚える。宮本信子の朗読が素晴しく、じっくりと聴き入ることができた。
著者を支えた養父の姿勢や言葉には、自然と頭が下がる。
貧困や周囲の無理解により、小中学校時代にまったく学習意欲をなくし、オール1であった筆者が立ち直るまでの軌跡を描いた「未来のきみが待つ場所へ」。中学校時代に掛け算九九すら言えなかった筆者は、アインシュタイン・ロマンに感銘を受け、多くの人々の支えで大学に進学し、高校の教員として活躍している。
周囲の理解と支援がいかに人を育てるかということを実感させられる。
大阪府の学校評価の取取組みについて、理論・政策・実践の三側面から描いた本。現在文部科学省が進めている学校評価の枠組みとは多少異なるが、学校評価を学校の改善に活かすという重要なスタンスは、繰り返し記されている。校長を中心としたリーダーシップの基、学校をより良くしようと展開された実践例は興味深かった。
学校評価を共に創る―学校・教委・大学のコラボレーション
長尾 彰夫 大脇 康弘 和佐 真宏 
筒井康隆の原作、細田守監督によるアニメーション「時をかける少女」。躍動感溢れる学園SF。山本二三美術監督が手がける背景が素晴しい。雲や標識の表現など、細田監督独特のこだわりが随所に見られる。
夏を駆け抜ける、爽やかな青春アニメ。
時をかける少女
筒井康隆 細田守
新田次郎原作の短編、「強力伝」「八甲田山」が収められたCDを聴く。自然と対峙する人々の姿が、科学的ともいえる精緻な表現で描かれている。ことに、峻烈な自然の描写は圧巻。渡辺徹の暖かみのある語りに救いを感じる。
強力伝,八甲田山 (新潮CD)
新田 次郎
松本清張の初期の短編「西郷札」を、佐藤慶が朗読するCDを聴く。西南戦争の折に、西郷隆盛の軍が軍費調達のために発行した紙幣を題材にとった小説。佐藤慶の低音の響く声と深みのある語り口で、端然とした筆致の物語を味わう。
西郷札 (新潮CD)
松本 清張
「学びとは対象(教材)との出会いであり、他者(仲間や教師)との出会いと対話であり、自己との出会いと対話である。」
先日、東京大学大学院教授、佐藤学氏の講義を聴いた。1万以上もの授業を分析し、教育のヴィジョンを示し続けている氏の講義は、たいへん説得力のある内容であった。
「最初の1500校は失敗した、3000校あたりから見えてきた。」という言葉が印象に残る。あくまで現場主義。学校、教室の空気を感じ、学びに根ざした授業実践を重視する。机上の空論ではなく、数多くの学校の改革に方向を示し、子どもたちが学び合い、教師と生徒が共に高め合う学校づくりを推進している。
「学校の挑戦-学びの共同体を創る」には、氏の関わった実践が数多く掲げられている。
「平等で質の高い学び」を実現するために、静かだが着実な歩みが各所で始まっている。声高に改革を叫ぶのではなく、地味な実践に耳を傾け、話し合いを通して子どもたちの学びがいかに行われたかを教師同士が分析し、共に質の高い学びの実現を目指していく。
「学びに挑戦し続けている子ども(生徒)は、家庭が崩壊しようと友人が崩壊しようと、決して崩れることはない。」
学びに真剣に向き合う場が、まさしく学校である。そのことを、しっかりと目の前に示してくれた。数多くの実践から語られる学びの風景には、静かな感動を覚える。
学校の挑戦―学びの共同体を創る
佐藤 学
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