孟嘗君 2
宮城谷昌光の「孟嘗君」第2巻では、快男子、風洪が自らにふさわしい学問を求めて中国の大地を巡る。行く先々で出会う多くの人物が幾筋もの運命を紡ぎ始める。
孟嘗君(2) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
宮城谷昌光の「孟嘗君」第2巻では、快男子、風洪が自らにふさわしい学問を求めて中国の大地を巡る。行く先々で出会う多くの人物が幾筋もの運命を紡ぎ始める。
孟嘗君(2) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
久しぶりに、わくわくしながら読める本に出会えた。宮城谷昌光による「孟嘗君」である。
中国の戦国時代を舞台に、数奇な運命をたどる孟嘗君をめぐる小説。簡明な筆致で、スピード感のある物語が展開される。主人公の育ての親、風洪など、魅力的な人物が多数登場し、知略渦巻く戦乱の世を駆けめぐる。そこでは、人々の真の生き様が浮き彫りになる。
一陣の爽風を浴びたような、清冽な気を感じた第1巻。
孟嘗君(1) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
2008年2月現在、アメリカ大統領の予備選挙で、オバマ上院議員は、クリントン上院議員と善戦している。
かわぐちかいじの「イーグル」は、アメリカ大統領選挙の内幕を描いた漫画。日系三世のケネス・ヤマオカが、アメリカ大統領選挙への立候補を表明し、選挙戦を戦う様が、父子の葛藤などをからめてダイナミックに表現される。その虚々実々の駆け引きは圧巻で、作者の手腕には脱帽した。
銃規制、戦争、労働争議、人種差別など、アメリカの抱える問題を浮き彫りにしながら、それと向き合う大統領候補の姿を通し、理想のリーダー像を活写する。骨太のテーマにそった見事なストーリー展開であり、その面白さは群を抜く。
イーグル (3)
かわぐち かいじ
善良な女性を襲う悲惨と苦悩を、練達の情景描写の中に描くモーパッサンの「女の一生」。凡百の浮薄な小説とは一線を画し、読み継がれる名作が訴えてくる力は凄みを帯びている。
女の一生
モーパッサン 新庄 嘉章
中学2年生の数学では、図形の証明が大きな山場となる。三角形、四角形の性質を踏まえ、合同条件などをもとに、論証を行っていく問題である。根拠を明確に示し、結論を導く過程を体験させることは、極めて重要である。しかし、こと証明問題については、一朝一夕に解けるようにはならない。様々なケースに触れながら、図形の性質を確認し、その手法を何度も体験して初めて、新たな問題を解く力が養われる。
「基礎がため100%中2数学 図形編」では、角の性質、三角形、四角形の性質をスモール・ステップで学びながら、徐々に基礎的な証明問題が解けるよう配慮されている。入試に対応するためには、より広範な問題にあたる必要があるかもしれないが、まず、基礎をきちんと押さえることなくしては、自らの力で解くことはできない。この問題集では、似た問題に繰り返しふれることで、着実に基礎を押さえられるように構成されている。
授業の予習や、短期間で総まとめを行うにはよい書き込み式問題集。
ダイナマイトを発明し、遺産のほとんどを平和のための賞の設立に託したノーベル。その生涯を息子の音読でたどる。
父の代から様々な発明で工場を興しながら、製品の事故や政治の都合によって、何度も倒産の憂き目にあう。しかし、次の発明によって、新たな事業を始めていく。その不撓不屈の姿勢がすごい。
自ら発明したダイナマイトは、工事の効率を飛躍的に高め、産業の進展に貢献したが、同時に戦争に利用され、幾多の命をうばっていく。ノーベルは平和を願っていたが、戦争をなくすことの難しさもよく理解していた。ノーベル賞の設立は、幾多の発明を成し遂げる柔軟な思考の中で培われたバランス感覚があってこそ生まれた方策だったのではないか。
科学者の気概と苦悩を伝える良書。
樋口一葉の「たけくらべ」を幸田弘子が朗読したCDを聴く。美しい日本語が息づく、引き込まれる朗読。
樋口一葉作品集(1)たけくらべ
朗読 幸田弘子
ロケット博士、糸川英夫の時間活用術。1985年刊、たいへん古い本である。しかし、現在でも通用する内容が多い。と、いうより、現在あまた出ている「タイム・マネジメント」に記述されている、小手先のワザをはるかに越えた中身がある。むしろ、「切れはし時間の使い方」など、最近の多くの本に書かれていることの原型が、この本に記されている。
糸川氏の多彩な活動と多様な思考が「創造的人生」を送るヒントを与えてくれる。
ビジネスマンに対するコーチングを行っていた著者が、高校生の就職カウンセリングを行うことになった。やる気のない生徒、何でも「分からない」ですます生徒、自分に自身がもてない生徒などに、著者はコーチングの手法を用いてコミュニケーションをはかっていく。
生徒との生のやりとりで示される、具体的なアプローチは、たいへん示唆に富む。子どもたちの可能性を引き出す技術には、もっと目が向られるべきだと切に感じた。
子どもを伸ばす共育コーチング―子どもの本音と行動を引き出すコミュニケーション術
石川 尚子 岸 英光
「プロフェッショナルの条件」「チェンジ・リーダーの条件」「イノベーターの条件」などを基に、ドラッカーの理論を図解した書。「巨大な知の森」といわれるドラッカーの著述の概略を端的に表している。
図の作り方のポイントも示されており、読みやすく、中身が濃い本。
1月17日に報告された中央教育審議会答申に盛り込まれている「生きる力」の理念を支える一つである「知識基盤社会」は、ドラッカーの理論を基にしている。本書をきっかけとして、ドラッカーの本にあたってみることも意義深いのでは。
図で読み解く!ドラッカー理論
久恒 啓一
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