ぼくはこんな本を読んできた
立花隆の読書論、書斎論、書評を集めた本。講演の記録である「知的好奇心のすすめ」は、その密度の濃さに驚かされる。立花隆が、最先端の科学技術をいかに取材しているか、そのエッセンスが語られ、この部分だけでも読む価値はある。
立花隆の仕事場、『ネコビル』顛末記も、妹尾河童のイラストが添えられており、興味深い。貪欲な知的好奇心と旺盛な仕事ぶりには圧倒され、刺激をうける。
立花隆の読書論、書斎論、書評を集めた本。講演の記録である「知的好奇心のすすめ」は、その密度の濃さに驚かされる。立花隆が、最先端の科学技術をいかに取材しているか、そのエッセンスが語られ、この部分だけでも読む価値はある。
立花隆の仕事場、『ネコビル』顛末記も、妹尾河童のイラストが添えられており、興味深い。貪欲な知的好奇心と旺盛な仕事ぶりには圧倒され、刺激をうける。
「知の巨人」ピーター・ドラッカーの膨大な著作から、自己実現に関する内容をまとめた「プロフェッショナルの条件」。
分かりやすい文章で、明快な内容であるが、著者の多年にわたる経験の蓄積に裏打ちされ、実に説得力がある。真に大事なものが何であるかに気づかせてくれる書。
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか
P・F. ドラッカー 上田 惇生
ドラマのだめカンタービレの第7話で、単なる脇役かと思っていたハリセン教師江藤が俄然活躍する。原作の構成の見事さに、ドラマを見てあらためて感嘆した。
今回、のだめの成長の物語である点が前面に出てきて、ドラマとしての深みが増してきたようだ。新たなオーケストラの始動とのだめの行動が、対位法のようにからみ合い、変化に富んだ楽章のようであった。
のだめカンタービレ (7)
二ノ宮 知子
ドラマ「のだめカンタービレ」の第6話は、Sオケの解散・メンバーの卒業と、新たなオーケストラの結成につながる節目の回。
2台のピアノで弾くラフマニノフの演奏が見せ所・聴かせどろこで、楽しめた。
のだめカンタービレ (6)
二ノ宮 知子
上記の演題で、柳田邦男氏の講演会が11月18日に群馬県総合教育センターで催された。主催は群馬県読み聞かせグループ連絡協議会。約300名の聴衆が会場のホールを埋め尽くした。
「マッハの恐怖」などで航空機事故に挑み、「ガン回廊の朝」、「「死の医学」への序章」などで、癌や末期医療を取り上げた柳田邦男氏である。鋭く問題提起をする著述から、講演の内容はかなり硬派な話であろうと想像していた。しかし、その予想は喜ばしい形で裏切られた。
「絵本「もこもこもこ」を広げ、『もこ、もこもこ』とおじいちゃんがいっていると、孫が『おじいちゃん、何それ』と寄ってきたりして、いいですよね。」
と柔和な表情で語りかける。
「書斎の三分の一が絵本で埋まっています。」という氏は、このところ日本人の心の問題を多く扱い、絵本について精力的に取り組んでいる。
今回の講演は、スライドを用いて絵本の紹介をしながら、その背後にあるものや、育てるべきものを静かに語りかける内容であった。
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美しい自然と、少女の情感を詩的に歌い上げた「月夜のみみずく」は、工藤直子氏の日本語訳も素晴らしい。 柳田氏は、朗読をしながらこの本のよさをじっくりと語った。 |
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「そらとぶアヒル」などの作者、内田麟太郎氏が絵本「おかあさんになるってどんなこと」に込めた思いが語られた。実母との死別、虐待の経験など、いたく感動的な話であった。 |
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幼い弟が病気で死にむかおうとしたとき、それをまだ幼い兄や姉に伝えなければならない場面で、医師は絵本「わすれられないおくりもの」を取り出し、静かに朗読した。 |
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柳田邦男氏が翻訳した、「ぼくはだれもいない世界の果てで」は、ひとりでいること、考えることの大切さを自然への愛おしさを込めて表わしている。 |
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モンゴルの民話「スーホの白い馬」を元にした劇を、障害者の学級の子どもたちがぜひやりたいと言い、影絵の芝居とした。主役を演じたやっちゃんは、たどたどしい台詞で熱演し、いままでいじめていた健常者の生徒の涙をさそい、「ごめんね」という言葉とともに交流が始まった。 やっちゃんは、その後、火事によって死んでしまう。担任をした先生は、モンゴルに行きたいというやっちゃんの思いに答えるため、遺灰を持ってモンゴルに渡る。話を聞いた現地の人々は、馬頭琴を実際に奏してくれる。これをきっかけに、やっちゃんのいた福山で、障害児たちのためにモンゴルの人々による馬頭琴のコンサートが行われた。 |
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柳田邦男氏が、最後の一文に頭を貫かれ、翻訳して日本に送り出した「エリカ 奇跡のいのち」。 第二次大戦中、ナチスによってダッハウの強制収容所に送られる貨物列車の中で、母は抱いている赤ん坊を小窓から外に投げ出した。奇跡的に生き延びた少女とその思い。 |
このように、柳田氏は、絵本に込められた数々の思いやそれにまつわるエピソードを語っていった。その他に、次のような本が紹介された。並べると、あらためてメッセージ性の豊かさを感じる。
きりのなかのはりねずみ ユーリー ノルシュテイン ![]() |
だくちる だくちる―はじめてのうた 阪田 寛夫 V.ベレストフ ![]() |
あの森へ クレア・A. ニヴォラ 柳田 邦男 ![]() |
ごんぎつね 新美 南吉 黒井 健 ![]() |
だいじょうぶだよ、ゾウさん ローレンス ブルギニョン ![]() |
でも すきだよ おばあちゃん S. ローソン C. マガール 柳田 邦男 ![]() |
「高度経済成長期のツケがまわってきたのか、躾などあたりまえのことが受け容れられない時代になっています。子育ては分析的にはいかないし、教育の問題はすぐに解決するものではないでしょう。ひとつ言えるのは、大人が心を耕さなければならないということです。」
柳田氏の一言一言は、日本におけるノン・フィクションの分野を確立し、ジャーナリズムの精神を貫いた体験に裏打ちされ、実に説得力があった。
「失望はしても、絶望はしない」
氏は絵本を通し、柔和な表情の奥にある鋭い眼差しでメッセージを送り続けている。
講演の後に、ステージ上でサイン会が行われた。ホールの最後尾に達する長い列ができたにもかかわらず、氏はサインを求めるひとり一人の名前とメッセージを見事な筆跡で丁寧に記していた。その愚直なまでの真摯な姿に頭が下がった。
ドラマ「のだめカンタービレ」の第5話では、学園祭のコンサートが描かれていた。原作第5巻の名場面であるが、Sオケのラプソディ・イン・ブルーは、派手なステージとアレンジで、盛り上がるシーンとなった。なぜマングースの着ぐるみなのかは、原作でもドラマでも明かにされていないが、マスコット・キャラクターとして愛され、商業的な効果は抜群。マングースのボールペン付きのコミック最新刊も限定販売されるという。
千秋がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾く場面も、スタッフの思い入れが感じられるシーンであった。
今回、シュトレーゼマンと音大理事長との若き日のロマンスなど、陰影の濃い映像が多かった。ブラームス交響曲第3番第3楽章など翳りと深みのある曲が用いられ、物語に奥行きを与えた。ますます選曲に磨きがかかり、数々の楽曲を聴くだけでも楽しめるドラマになっている。
のだめカンタービレ (5)
二ノ宮 知子
2006年のアメリカ中間選挙では、民主党が上下院とも議席の過半数を獲得した。中間選挙が終わると、すぐに2年後の大統領選挙に向けた動きが始まる。
かわぐちかいじの「イーグル」は、アメリカ大統領選挙の内幕を描いた漫画。日系三世のケネス・ヤマオカが、アメリカ大統領選挙への立候補を表明し、選挙戦を戦う様が、父子の葛藤などをからめてダイナミックに表現される。その虚々実々の駆け引きは圧巻で、作者の手腕には脱帽した。
銃規制、戦争、労働争議、人種差別など、アメリカの抱える問題を浮き彫りにしながら、それと向き合う大統領候補の姿を通し、理想のリーダー像を活写する。骨太のテーマにそった見事なストーリー展開であり、その面白さは群を抜く。
イーグル 1
かわぐち かいじ
「太陽の王子ホルスの大冒険」の様々なシーンについて、この作品が初の長編演出となった高畑勲が解説した本。どのような意図で演出をし、どんな表現技法が使われたかが詳細に記されている。この作品の各シーンがいかに思い入れを込めて作られているかが如実に伝わってくる。そして、当時の技術でいかに試行錯誤がなされ、その蓄積が他のアニメーションに生かされたかが語られている。表現技法のテキストともなりうる、アニメに対する深い洞察が記された貴重な本。
「ホルス」の映像表現
高畑 勲
ドラマ「のだめカンタービレ」の第4話は、原作第3巻のSオケの初コンサートまでを軸に、人気のある第2巻のコタツのエピソードを交えて描かれていた。原作では、Sオケが演奏するのはベートーベンの交響曲第3番《英雄》であったが、ドラマではオープニングのテーマ曲であるベートーヴェンの交響曲第7番が用いられた。
原作の「プリごろ太」もきちんとアニメとして作られ、スタッフの意気込みを感じる。のだめがピアノで弾く7番が素晴らしい。そして、クライマックスのコンサートも、表題のない交響曲第7番でみごとに盛り上がる。
音楽の素晴らしさをストレートに伝える心が、このドラマを支えている。
原作の第4巻は、今回のドラマとは関連がないが、長野での音楽祭のエピソードなど後の伏線を予感させる。番外編のピアノの先生の話も好掌編。
のだめカンタービレ (4)
二ノ宮 知子
息子が小学4年生の算数文章題ドリルを終える。2桁・3桁の割り算、大きな数と概数、面積、三角形や円の作図、小数の加減、分数の基礎という内容。
比較的問題数が少ないドリルであったので、ほぼ一ヶ月で終えることができた。今日は残った20ページを1日でこなした。全体の分量こそ多くないものの、1冊終えることには成就感があり、次の動機付けとなる。そのため、ドリルはあまりみっちりと詰まっていないほうが良いと感じる。
次の小学5年生文章題は、小学校算数の天王山、「割合と百分率」を含む。
新課程 学力ドリル 算数文章題 小学5年生 桝谷 雄三 ![]() |
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