キングダム 3
アニメ「キングダム」第3話は、「友よ…!」。
信と政の前に、鳥頭の蓑をかぶった河了貂が現れ、抜け道を案内する。
殺伐とした物語に、河了貂がぬくもりを与えてくれる。
アニメ「キングダム」第3話は、「友よ…!」。
信と政の前に、鳥頭の蓑をかぶった河了貂が現れ、抜け道を案内する。
殺伐とした物語に、河了貂がぬくもりを与えてくれる。
アニメ「キングダム」第2話は、「運命の出会い」。
政と出会った信の基に、刺客が訪れる。
ダイナミックな剣戟が主人公の魅力を引き出す第2話。
原泰久による漫画を原作とするアニメ「キングダム」。2012年6月から2013年2月にかけて第1シリーズがNHK BSプレミアムにて放送された。
古代中国の春秋戦国時代を舞台に、後の始皇帝となる政と、それを支える武人、信を軸に描かれた作品。
第1話は、「無名の少年」。下僕として働く震災孤児、信と漂は、互いに剣の技を磨き大将軍になることを夢見ていた。大臣の目にとまった漂は王宮に仕えることになるが…。
中国の壮大な自然の描写が素晴らしい。少年信の身にひたひたと寄せくる運命を感じ、第1話から物語の虜となる。
世界各地の紛争地域をめぐり、兵士の武装解除に携わってきた瀬谷ルミ子氏の体験記「職業は武装解除」。
高校3年生の時にルワンダ難民の写真を見た著者は、その状況を変えようと紛争解決の道に進むことを決意する。手段として英語を勉強し、アルバイトをして紛争解決学の課程をもつイギリスの大学に留学する。
その後、シエラレオネ、アフガニスタン、コートジボワール、ソマリアなど紛争地域を渡り歩き、体験を積んでいく。
自らの上位目標に向けて突き進んでいく前向きな姿勢にはいたく感銘を受けた。紛争地の現実や、なかなか思う通りにいかないことへの葛藤も綴られている。それでも、ぶれずにスキルを高めていく姿に、読んでいてたいへん鼓舞された。
危険が伴う任務についても書かれているが、著者の温かみと独特なユーモアが読み手の心を潤してくれる。
キャリアを高めたい全ての人に読んでほしい、鮮烈な半生の書。
アメリカを支える思想のひとつ、プラグマティズムを、開拓時代の西部を舞台としたストーリーで描く漫画。主人公の行動や、周囲に語る言葉から、実践に基づく行動哲学を実に分かりやすく伝えている。
ガンマンたちの乱舞する西部劇として、一級のエンターテイメントに仕上げた教養コミック。
ゾンバルトの「ユダヤ人と経済生活」を基にした漫画。
ユダヤの商人を主人公としたストーリーで、その思想が経済に与えた影響を描いている。経済と国家との関わりが、歴史的な背景をとおして分かりやすく語られる。
レイ・ブラッドベリの短編集「ウは宇宙船のウ」。宇宙船や異星での話など、16編が収められている。
SFではあるが、人の心をとらえる言葉に満ちている。科学の発達した世界を舞台にして、家族の関係を浮き上がらせる作品も多い。
真骨頂は、イマジネーションの豊かさが発揮された作品。「霧笛」「太陽の金色のりんご」「霜と炎」などは、とりわけ余韻を残す。
深い抒情をたたえた珠玉のSF短編集。
ロングセラーである「理科系の作文技術」(木下是雄著)を元にした漫画。IT系の企業に入社した女性が、上司に文章を鍛えられていくという設定でストーリーが進んでいく。
「理科系の」とあるが、文章に関わる一般的なセオリーが書かれているため、文化系であっても十分役に立つ。
各章ごとにポイントがまとめられ、たいへん分かりやすい。明快で簡潔な表現で、伝わりやすい文章を書くよき手引きになっている。
スラスラ読めて、エッセンスが得られる有益なコミック。
「ああ、我々は、自分をこの音楽家に託してよいのだ。」
久しぶりに、読み進むのがもったいない、読み終わりたくないと思える小説に出会えた。ピアノコンクールを舞台に、人間模様と音楽を描いた恩田陸の小説「蜜蜂と遠雷」である。
養蜂家の少年、元プロであった少女、アメリカで実力を磨いた多国籍の系譜をもつ青年、音楽家への夢が捨てられない会社員など、参加者が織りなす演奏を軸に、それらを取り巻く人々や審査員など様々な視点でコンクールの進行を紡いでゆく。
ピアノ演奏の魅力をここまで具体的に表現した作品があっただろうか。登場人物それぞれが、曲から受ける心象を記していく。それにより、ピアノが奏でる音楽が表現するものを豊かに描き出していく。
音楽への深い愛情が、繊細な言葉によって伝わってくる。同時に、人々の生き様が、音楽によって見事に浮き彫りにされていくのだ。登場人物に共感し、何度涙を溢れさせたことだろうか。
音楽の素晴らしさを人々のハーモニーで奏で、いつまでもその調べに浸っていたいと感じさせる素敵な小説。
蜜蜂と遠雷(上) | |
学校に行けなくなった中学生こころは、自室にこもる毎日が続いていた。ある日、鏡が光り中に引き込まれると、そこには似た境遇をもつ七人の中学生たちがいた。
辻村深月の「かがみの孤城」は、学校にうまく向き合えない子どもたちの心情を丁寧に描いた小説。ファンタジーの体裁をとっているが、その設定が惹き付ける力をもち、最後まで一気に読ませる。様々なことがらが最後に収束していく様は圧巻で、良質のミステリーに接した読後感があった。
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